「実はあの日夜、歴代の検事総長や検事長が集まる懇親会にような席がありました。その席上で神村氏の大演説は、よくやったよという賞賛があった。一方、黒川氏については『こんなことになって、もう辞めたらどうだ』と言った人もいるそうです。今、広島地検がやっている河井夫妻の事件は、捜査が進めば、2人とも逮捕というシナリオも不可能ではない。衆参の議員2人を一挙に逮捕というのは、広島地検にとって前代未聞の大手柄です。河井夫妻の事件は喫緊の課題。上級庁の広島高検の小川新二検事長こそ定年延長すべきという声が多々、あがっていた」

 国会でも、黒川氏の定年延長問題が取り上げられるたびに森雅子法相は、答弁を修正するなど劣勢が続く。

「黒川氏の定年延長で、こんなに国会が空転するとは考えもしなかった。カジノ疑惑で衆院議員の秋元司被告が逮捕され、さらに河井夫妻の公選法事件。もう、黒川氏の役目は終わったよ、検事総長にしなくてもいいという声も聞かれる。お引き取り願ってはどうなのか」(前出の自民党幹部)

(今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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