22歳で出場した前回15年のイングランド大会では、ウイングとして4試合すべてに出場。17~18年シーズンにはトップリーグの最優秀選手(MVP)にも輝いた。松島は日本代表に欠かせないトライゲッターとして、チームリーダーの一人として欠かせない存在になった。

「4年前とは違って、周りを見ることができるようになり、それを周囲に伝えられるようになったのは成長した部分。今日はプレッシャーもあっただろうし、気持ちが入り過ぎたことでうまくコミュニケーションを取れていなかった選手もいたが、僕は最初から楽しめたし、前回大会の経験も生きて、変な緊張もせずに、自分のプレーが出せた。(序盤リードされて焦り?)ロシアは前半からひざに手をついて疲れている雰囲気の選手もいたし、後半になればという思いはあったし、焦りはなかった。ここから、もっとよくなれば完璧」

 試合後の取材エリアでの淡々とした口ぶりは気迫のこもったプレーとは対照的だったが、その二面性が松島の魅力と話す関係者は多い。

 日本は28日に静岡・エコパスタジアムである第2戦で、アイルランド(世界ランク1位)と戦う。1次リーグ突破、悲願のベスト8進出に向けて、勝っても負けてもその戦いは重要になる。

「今日でチーム全体としてW杯の雰囲気を知れたし、来週には(初戦で目立った)硬さも取れていると思う。アイルランドについては、これからの1週間で分析しますが、外で待っていればチャンスは来ると思うので、そこで仕留められれば」

 苦戦は必至だが、自身初のハットトリックをW杯で決めた男は、クールな中にも熱い思いを秘めて、虎視眈々(こしたんたん)とトライの機会をうかがっている。(栗原正夫)

※週刊朝日オンライン限定記事