
(7日、野球U18W杯 豪州4―1日本)
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『明』と『暗』。
後者に包まれた豪州戦を終え、日本の指揮を執った永田裕治監督は何度も自責の念を口にした。
「僕の不徳の致すところです。負けたのはすべて監督の責任」
負けたら監督、勝ったら選手――。
そんな言葉も加えながら、反省と悔しさが入り乱れる表情を浮かべるのだ。語気を強めて自らの采配と選手起用を責める姿が印象的だった。
大会を通じて露呈した守備のミスが、重苦しい結果につながったのは明白だった。2次リーグ3戦目となった「負けられない」豪州戦が、今大会の日本を象徴する内容になってしまったのは皮肉なものである。
1点リードの二回表、先頭の6番・バイロン・アームストロングの力のない打球が三塁手・石川昂弥(東邦)の前に飛ぶ。決して難しい当たりではなかったはずだ。だが、捕球した石川の一塁送球が悪送球に。記録は内野安打となったが、防げる出塁だった。
続く7番・ジェーク・バーンズの右前安打で無死一、三塁とされると、8番・リアム・エバンスの打球は二遊間を襲った。遊撃手の武岡龍世(八戸学院光星)が打球のほぼ正面に入る。
併殺か。
そう思った瞬間、わずかにイレギュラーした影響もあっただろうか、打球が武岡の左横をすり抜けていった。
記録は中前安打である。雨水を含んだグラウンドコンディションの影響もあったかもしれない。それでも、同点打となったその打球、下位打線の出塁は「防ぎたかった」ワンシーンだった。
さらに、悪夢のような時間は続く。勝ち越しを許してなおも満塁のピンチで、再び石川にミスが出る。併殺可能な打球に対して焦りもあったか。石川のグラブの下をすり抜けていった“三塁ゴロ”は、投手登録の左翼手・西純矢(創志学園)の前まで転がり、大きなダメージを残す2点を追加された。
記録に残らないミスも含め、失策絡みで4失点した二回表が、この試合のターニングポイントとなった。