振り返れば、結果的に『手痛い1敗』となった1次リーグの台湾戦でも、内野の2失策が直結して2点を奪われた。そのまま降雨コールドの敗戦。試合後、永田監督は守備の不安を口にしていた。

「(内野の)ショートスローのミスがたくさん出ている。修正しなければいけないんですが……」

 代表メンバーの編成を見れば、各チームで遊撃手を務めた選手が6人。外野を本職とする選手は、わずかに2人だった。

 それぞれにポテンシャルの高い選手が選出されたのは言うまでもない。ただ、チーム合流から短期間で不慣れなポジションに対応し、日の丸を背負う重圧も感じながら国際大会に挑まなければいけない選手たちが多くいた。大会を通じて選手らの苦心が一つ一つのプレーからよく伝わった。その不安要素が、全体の守備の乱れにつながったとも言えるだろうか。

 敗戦の理由は、それがすべてとは言えない。ただ、タイブレークにもつれた日韓戦でも、失策が試合の行方を大きく左右し、さらにそこでの1敗が大会の行方をも変えた事実はある。永田監督は言うのだ。

「最後までディフェンス面が……。監督の責任です」

 プロ注目の佐々木朗希(大船渡)、奥川恭伸(星稜)といった好投手を擁しながら、日本は5位が確定。メダルを逃したのは2012年以来、2度目のことである。

 大会最終日を待たずして、日の丸の戦いは終わった。(佐々木亨)

※週刊朝日オンライン限定記事