同僚がきたので、外に出たKさんに対して宮崎容疑者は激高して、襟元あたりを掴みかかろうとした。同僚が間に入って、引き離す。近所の人も、大声が聞こえたのか集まってきた。そこへ、たまたま、パトカーが通過。同僚が呼び止めたという。

「警察の人に間に入ってもらおうと思いました。宮崎容疑者に掴みかかられ、殴られかけたことまで事情を説明。警官は宮崎容疑者を呼び、カバンを見ながら、『席から落ちたくらいで大きな破損などないだろう』『酔って、自分で落としたことはないの』などと話した。すると宮崎容疑者は『運転手がわざと大回りの道を行こうとしていた』『殴りかかってきたのは運転手や』『カバンが落ちたのは喜本さんも見てた』などという始末。喜本容疑者は『運転手が悪い』などとわめいていた。結局、警察の人のおかげで、解放されました。30分ほどかかり、タクシー代はもらったが、営業には大きな支障となった。私がタクシーに乗り込み仕事に戻ろうしたら『ええ加減にしろよ』と文句を言いはじめ、警察になだめられていた。人格破綻していますよ」(Kさん)

 警官に言われて、万が一のことがあってはともらったのが宮崎容疑者の名刺だったという。宮崎容疑者は、茨城県警の事情聴取に殴ったことは認めているが、「あおり運転はしていない。前を行く車の速度が遅くて、妨害されたと腹が立った」などと供述しているという。

 宮崎容疑者と同じ関西学院大学の同級生はこう話す。

「宮崎容疑者は昔からなんでも人のせいにする性格ですねん。大学時代にレポートの提出があり、参考にしたいと本を貸した。返せというと『母親を病院連れて行ったから』という。しばらくして催促すると『今日は電車が遅れて急いでいた』とか自己弁護するばかりですわ。実は大学時代にあいつの外車に一度、乗せてもらったことがある。車の自慢話をしながら運転していた。信号にかかり、黄色から赤にかわりそうなタイミングで前の車が止まった。すると宮崎容疑者は『こら、いかんかい』と血相かえて怒っていた。誰でも止まるような信号の変わり方。そういう性格があおり運転につながったのかもしれません」(今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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