“画狂”葛飾北斎に学ぶ「健康と長寿」の7つの秘訣 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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“画狂”葛飾北斎に学ぶ「健康と長寿」の7つの秘訣

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浅井秀樹週刊朝日
「神奈川沖浪裏」 (すみだ北斎美術館提供)

「神奈川沖浪裏」 (すみだ北斎美術館提供)

「賀奈川沖本杢之図」 (すみだ北斎美術館提供)

「賀奈川沖本杢之図」 (すみだ北斎美術館提供)

「冨獄三十六景 甲州石班澤」 (すみだ北斎美術館提供)

「冨獄三十六景 甲州石班澤」 (すみだ北斎美術館提供)

 平均寿命が40~50歳ほどの江戸時代に、数えで90歳まで生きたという葛飾北斎(1760~1849)。自らを「画狂」と称した天才浮世絵師で、天寿を全うする直前まで筆をとり続けたという。没後170年を迎えた北斎の長寿と元気の7つの秘訣を探ると……。

【葛飾北斎の「賀奈川沖本杢之図」はこちら】

*  *  *
【1】挑戦する心と情熱
 絵が上手になりたい、森羅万象を描きたい。そんな情熱を北斎は忘れず、常に新たなものを創作し続けた。代表作の一つ、冨嶽三十六景は70代の作品だ。浮世絵の新ジャンルの風景画に挑み、大ヒットした。

 慶応義塾大学アート・センター所長の内藤正人教授は「多くの浮世絵師は美人画や役者絵中心に描いたが、そうした人たちが手がけない花鳥画なども北斎は残している」と指摘。すみだ北斎美術館の五味和之学芸員は「晩年も創作意欲が衰えず、朝から夜まで描いていた」と説明する。

【2】真理追究のたゆまぬ努力
 挑戦を続けた姿勢の奥底には、対象を的確にとらえて忠実に描きたい、との長年の思いがあったようだ。

 北斎の新境地の一つが、風に揺れる草花や蝶などの描き方。あるがままの自然の情景を躍動感あふれる作品に仕上げた。冨嶽三十六景の中の「神奈川沖浪裏」はその真骨頂だ。大きな波しぶきがほとばしる描写は、カメラで撮影したかのよう。写真のない当時、肉眼でここまで波しぶきを見極めた観察眼には驚きだ。

 北斎が最初に波を描いたのは、この作品から遡ること約30年の「賀奈川沖本杢之図」。五味学芸員は「最初の頃の波は餃子の皮かパイ生地のようだった」と指摘し、何十年もかけて躍動感ある波を描くようになった姿に「真理の追究心が並外れて強い」とみる。

 水の風景をテーマにした作品はいくつも手がけている。「千絵の海」では海岸や川岸を、「諸国瀧廻り」では滝を描いたが、いずれもあまり売れなかったようだ。内藤教授によると、波の絵は世の中に受け入れられて大ヒットしたという。

【3】堅実ながらもアンチ安定
「北斎漫画」は現代アニメにもつながる絵手本で、様々な人物の姿や風俗をとらえている。内藤教授は「行き当たりばったりではなく、かなり周到なプランがある」と作品の緻密さを指摘する。


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