「逆境を何度も乗り越えてきた選手。今回も『羽生劇場』を見せてくれると信じています」(50代、会社員、女性)、「マイナスをプラスに変換できる人。つらい時間を経た分、素晴らしい演技を見せてくれると思う」(30代、会社員、女性)

 プロフィギュアスケーターで解説者の本田武史さんは、こう分析する。

「羽生選手は、平昌五輪のときも万全ではない状態で2連覇を達成。その精神力の高さはこれまで何度も試合で見てきています」

 だが、国際大会は一筋縄ではいかない。1977年世界選手権銅メダリストで、解説者の佐野稔さんは指摘する。

「1年前とは周囲が変わっています。周りの選手が実力をつけてきています」

 例えば宇野。2月に開催された四大陸選手権で優勝して「シルバーコレクター」の汚名を返上し、ファンの間でも期待が高まっている。本人も「優勝したい」「結果を求めて臨む初めての大会」と明言している。

「日本のトップ選手としての自覚が感じられる発言が増えた。努力を積み重ねて、いよいよそれが結実するときだと信じています!」(30代、主婦)、「世界王者の称号を日本で獲得してもらいたい。悲願です」(40代、フリーランス、女性)

 チェンは複数の4回転ジャンプを武器に、今シーズンは上り調子。1月末の全米選手権では、国内大会のため参考記録ながら、ショートプログラムもフリープログラムも今季の世界最高得点をたたき出した。本田さんは解説する。

「全米選手権では、ジャンプの高さや飛距離もあって、質が非常によくなってきた。加点がもらえるようなジャンプです。世界選手権でもあれだけの数(フリーで4本)の4回転を決めてくると高得点を狙えます」

 表彰台の高いところに立つのは誰か。氷上の熱い闘いがもうすぐ始まる。ショートプログラムは21日15時55分から、フリープログラムは24日17時30分から。(本誌・取材班)

※週刊朝日2019年3月29日号に加筆