ミッツ・マングローブ「賀正! 日本の客とユーミンと」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ミッツ・マングローブ「賀正! 日本の客とユーミンと」

連載「アイドルを性せ!」

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ミッツ・マングローブ週刊朝日#ミッツ・マングローブ
ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

2018年末の紅白歌合戦でもハイライトの一つだったユーミン (c)朝日新聞社

2018年末の紅白歌合戦でもハイライトの一つだったユーミン (c)朝日新聞社

 ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は「ユーミン」を取り上げる。

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 本年もどうぞよろしくお願いいたします。2019年、私は4回目のゾロ目を迎えます。若さ故の勢いや初体験は減る一方ですが、人生はこじらせてなんぼ。まだまだ悟り知らずで迷走していこうと思っています。

 悟り知らずと言えばユーミンです。現在列島縦断中の45周年記念ツアーは平成から新元号へ向かって、今年もまだまだ続きます。昨年末、大阪でのコンサートをひとりで観てきました。まさに自らをさらなる迷宮へと追い込む天才。あのどこか心細げなカリスマ性を目の当たりにするにつけ、「答えなんか導き出したところで、てんで不毛さ」と、ただ闇雲に前を向いたり後ろを向いたりする瞬間の尊さを痛感するばかり。ユーミンほど不安定に磐石な存在を私は知りません。この世の矛盾と歯がゆさと図太さを集約したような人です。だから私はユーミンを崇めるでも憧れるでも恋い焦がれるでもなく、ひたすらその音楽と存在に触れていたいと思うのかもしれません。

 エンタテイメント・芸能には2種類あるのに最近気づきました。ひとつは『客商売』で、もうひとつは『人気商売』です。似て非なるこのふたつ。客商売とは、通りすがりの大衆を相手に物や自分を売る稼業。水商売やテレビタレントなどはほとんどがこの部類に入り、私も長いことこの『止まり木的稼業』をしてきた身です。一方の人気商売は、通りすがりたちを顧客にし、その数と熱量で物や自分の価値を量り売りする商売であり、アイドル稼業はずばりこの『人気商売』の極みと言えるでしょう。例えば劇場などで顧客相手に漫才をしている芸人さんは人気商売ですが、ひとたび売れて全国区のテレビタレントになると、客商売の要素がグッと高くなります。テレビのチャンネルを合わせてもらうのは『客商売』で、コンサートや球場や映画館に足を運んでもらうのが『人気商売』です。


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