「九州場所で潮目が変わりましたよね。一人横綱として踏ん張れなかったのがねぇ……」と話すベテラン記者。1月の初場所を仮に全休した場合、横審は本当に引退勧告するのだろうか。

「横審は日本相撲協会の諮問機関。決議は、理事長や協会の執行部の意向を反映したものです。要は、協会幹部が稀勢の里を必要だと考えているか。稀勢の里だけ見たら、そりゃ、ふがいなさが目立ちます。だけどあと2人の横綱も故障がちで、横綱候補も万全とは言えない。大相撲は興行で横綱は大事な看板役者ですから、この状況で稀勢の里の肩をたたくことはないのでは」(前出ベテラン記者)

 例えば、九州で初優勝した貴景勝は1月場所で大関獲りだと言われているが、「九州では白鵬ら上位が休場していたし、彼らが復帰してきたらどうなるか、まだわかりません」(前出担当記者)。また、貴景勝と優勝争いした大関・高安も「あれは“優勝に準ずる成績”のはず。1月場所は横綱獲りだと騒がれてもいいのに、親方衆からも『そうだっけ?』なんて言われている始末で(笑)、全然注目されてません」(同前)

 進退は稀勢の里自身の頑張りはもちろん、上位力士の成績にもよるのだ。1月場所が待ち遠しい。(渡辺勘郎)

週刊朝日  2019年1月4‐11日合併号