ミッツ・マングローブ「オバさん界に現れた新女王・木村佳乃」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

ミッツ・マングローブ「オバさん界に現れた新女王・木村佳乃」

連載「アイドルを性せ!」

このエントリーをはてなブックマークに追加
ミッツ・マングローブ週刊朝日#ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

写真はイメージです (c)朝日新聞社

写真はイメージです (c)朝日新聞社

 ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、女優の木村佳乃さんを取り上げる。

*  *  *
 26年前、『私がオバさんになっても』という曲がヒットしました。唄っていたのは当時20代だった森高千里さんですが、50手前になった現在も森高をオバさんとする向きはほとんどないため、彼女が今これを唄っても曲の世界観は失われません。

 その人がオバさん(オジさんも然り)かどうかには常に2通りの基準があります。ひとつは周囲がそう感じ、オバさんとして扱う『他薦型』。もうひとつは自ら率先してオバさんを買って出る『自薦型』です。ただ自薦型の場合でも、たいていは「自分から言わなくても、とっくに知ってるよ」という他薦感情が勝(まさ)るため、世の中のオバさんの9割は他薦型と言えるでしょう。芸能界でも、年齢とは関係なく『オバさん』のポジショニングはとても重要です。世間の他薦感情を無視して『非オバさん』を主張し過ぎると『イタい人』になる一方で、あまり自虐的になり過ぎても、かえって隙やツッコミどころがない『扱いづらい人』になる危険性もあります。かと言って、過度に周りが煽ったり落としたりするのもご時世的によろしくない。特にバラエティ界において『オバさん』は、『オカマ』と同じくらい、程よい立ち位置を求められる弱者なのです。

 ちなみに松田聖子さんのような『永遠のアイドル』たちも、自分たちのコンサートなどではさりげなくオバさんアピールをし、ファンや客の笑いを取ったりします。しかしそれは、たとえ彼女たちが「もう歳だわ……」と自虐をしても「そんなことなーい!」「聖子ちゃんカワイイ!」と返してくれる顧客との絶対的信頼関係の上に成り立っている『サービス』なわけで、それ以外の場所で聖子ちゃんをオバさん呼ばわりすることは、ただの『ディスり』になってしまいます。これが世の中の1割にあたる『自薦型』をコントロールできている人たちの仕組みであり、その究極は吉永小百合さんでしょう。吉永さんが他者からオバアさん扱いされるなどあり得ません。


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

関連記事関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加
あわせて読みたい あわせて読みたい