たこ焼きパーティーを楽しむ外国人観光客ら。おいしいと外国人にも評判だ (c)朝日新聞社
たこ焼きパーティーを楽しむ外国人観光客ら。おいしいと外国人にも評判だ (c)朝日新聞社
大阪城公園にあった軽食店。経営者が脱税したとして摘発された。外国人観光客らに、たこ焼きがよく売れていたという(c)朝日新聞社
大阪城公園にあった軽食店。経営者が脱税したとして摘発された。外国人観光客らに、たこ焼きがよく売れていたという(c)朝日新聞社

 たこ焼きが大阪経済を救う――。

【写真】脱税で摘発された大阪城公園のたこ焼き屋

 冗談だと思うかもしれないがほんとの話だ。いま大阪を元気にしているが外国人観光客。大企業の本社が東京に移るなどかつては暗いニュースが目立っていたが、ここ数年はインバウンド需要の高まりで経済が活性化しているのだ。

 梅田、心斎橋、難波といった繁華街を歩いてみると、買い物やグルメを楽しむ外国人の様々な言語が飛び交う。欧米からアジアまで、来ている地域も幅広い。小売店や飲食店の売り上げは伸び、ホテルも建設ラッシュだ。

 ちょっとした「バブル」の状況だが、大阪が外国人観光客を引きつける大きな理由が「食」。すしやラーメンといった全国に楽しめるものに加え、串カツやお好み焼きといった大阪ならではの味が評価されている。なかでも人気が高いのがたこ焼き。

 一つ数百円のたこ焼きが売れても、あまりもうからないと思うかもしれないが、さにあらず。大もうけしている人もいることが、意外な事件で明らかとなっている。

 観光名所の大阪城公園でたこ焼きやお好み焼きなどを販売している軽食店の経営者が、所得税法違反罪で摘発されたのだ。2014~16年に店の売り上げで約3億3千万円の所得を得ていたのに申告せず、約1億3千万円を脱税した疑いがあるという。

 大阪城の桜門の前という立地で、8個600円のたこ焼きを求めて、外国人観光客がよく行列していたという。

「たこ焼きバブル」と言ってもいい状況だが、専門家はどう見ているのか。「上方お好み焼たこ焼協同組合」の宮原寿夫理事長は、具体的な調査はしていないとしつつ、たこ焼き店は増えていると感じている。

「特に繁華街の難波、道頓堀かいわいは『たこ焼き街道』と言われるくらい、そこら中にお店があります。4、5年前から急増しているようですね。道頓堀かいわいでは、客の8割くらいは外国人でしょう。中国や東南アジアの方が目立ちますね。地元の人よりも外国人の方が並んでたこ焼きを買うんです。我々も感心します(笑)」

 何度も日本を訪れたことがある20代の中国人女性は、大阪のたこ焼きは有名だという。

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海外でも人気高まる