ワンピース歌舞伎で頭角 尾上右近が“対極”の劇に挑戦 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ワンピース歌舞伎で頭角 尾上右近が“対極”の劇に挑戦

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菊地陽子週刊朝日
尾上右近(おのえ・うこん)/1992年生まれ。東京都出身。江戸浄瑠璃清元宗家七代目清元延寿太夫の次男。幼くして歌舞伎俳優を目指し、7歳で初舞台。2018年2月には、浄瑠璃方の名跡「七代目清元栄寿太夫」を襲名 (取材・文/菊地陽子、撮影/大野洋平、ヘアメイク/西岡達也(ラインヴァント)、スタイリスト/三島和也(Tatanca)、衣装協力/Connecter Tokyo)

尾上右近(おのえ・うこん)/1992年生まれ。東京都出身。江戸浄瑠璃清元宗家七代目清元延寿太夫の次男。幼くして歌舞伎俳優を目指し、7歳で初舞台。2018年2月には、浄瑠璃方の名跡「七代目清元栄寿太夫」を襲名 (取材・文/菊地陽子、撮影/大野洋平、ヘアメイク/西岡達也(ラインヴァント)、スタイリスト/三島和也(Tatanca)、衣装協力/Connecter Tokyo)

 実家は浄瑠璃の家元。幼少時代、名優と謳われた曽祖父・六代目尾上菊五郎の映像「春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)」に魅せられ、尾上右近さんは歌舞伎役者を志す。昨年秋、「スーパー歌舞伎II ワンピース」の公演中にけがを負った市川猿之助さんの代役を務め、歌舞伎ファン以外の層にも一気にその名が知れ渡った。

「1日2回公演が2カ月続いたので、毎日、明日を考えないぐらいの覚悟でやり続けるしかなかった。終わった後の達成感はすごいだろうと期待していたら、そうでもなくて(苦笑)。何かをやり終えても、次のことができなかったら、最初に達成したことなんて何の意味も持たなくなる。結局、表現を続けていくためには、達成感や評価などにとらわれていてはだめだと思うんです。見返りを求めるのではなく、ただ“好き”というピュアな気持ちでやり続けるしかない」

 安全な道と危険な道なら、圧倒的に危険な道が好きだという。

「安全な道を歩きながら、危険な道に憧れるのは嫌です。曽祖父にしても、母方の祖父の鶴田浩二にしても、みんな冒険を好む傾向にあったみたいですし(笑)、歌舞伎の先輩方も、皆アグレッシブな背中を見せてくれる。だったら、僕らは、それをヒントとして受け取るしかない。“伝統”と“伝承”では意味が全然違って、元々あるものを受け継いでいくのが伝承、あるものを壊して新たなものを作り、新しいものがずっと続くことが伝統だと、誰かから教えてもらったことがあって。それを僕は、形を受け継ぐのが伝承で、スピリッツを受け継いでいくのが伝統だと解釈しました」

 まだ26歳だというのに、伝統芸能と一生関わっていこうとする、その覚悟は凄まじい。四六時中、歌舞伎や芝居のことを考え、家での浄瑠璃の稽古も、「食事+αみたいな、僕にとっては日常です」とサラリと言う。


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