黒澤明が「撮れた」と涙をこぼした「夢」の1シーン (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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黒澤明が「撮れた」と涙をこぼした「夢」の1シーン

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週刊朝日
大林宣彦(おおばやし・のぶひこ)/1938年、広島県生まれ。77年、「HOUSE/ハウス」で商業監督デビュー。「転校生」を始めとする尾道3部作ほか代表作多数(撮影/写真部・岸本絢)

大林宣彦(おおばやし・のぶひこ)/1938年、広島県生まれ。77年、「HOUSE/ハウス」で商業監督デビュー。「転校生」を始めとする尾道3部作ほか代表作多数(撮影/写真部・岸本絢)

――信頼された大林さんは黒澤監督の「夢」(90年)のメイキング「映画の肖像 黒澤明×大林宣彦 映画的対話」の撮影を頼まれた。

 当時50歳。自分の人生をやり直すつもりで黒澤映画に2年張り付いてみようと決心し引き受けました。クランクイン初日、黒さんは階段から落ちて骨折。お見舞いに行ったら、「同じ監督同士だからわかるだろうけど、今日は現場に行かなくていいんだよ。うれしいねぇ」とニコニコしていらっしゃる。痛いほどよくわかります。「姿三四郎」の現場でガタガタ震えていたという話も、新人だったからではありません。映画監督は第1カットを撮るまではガクガク震えているもの。どこにもない「いのち」を誕生させるわけですから。

――黒澤監督自身、「夢」のメイキングにかなり力が入っていたようだ。

 以前放送された「影武者」のドキュメンタリーで怒鳴る姿ばかりを撮られてつらい思いをされたことがありました。だから、本当の自分を後世に伝えたいという思いがあったのでしょう。黒さんはキャメラが来たなと思うと、良い頃合いを待って話しだす。


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