市販されている軽失禁用パッド。さらピュア、ポイズ、スマートガード(男性用)、リリーフ、インナーシート(左から)(撮影/写真部・小山幸佑)
市販されている軽失禁用パッド。さらピュア、ポイズ、スマートガード(男性用)、リリーフ、インナーシート(左から)(撮影/写真部・小山幸佑)
尿もれに関連する生活習慣(週刊朝日 2018年1月5-12日号より)
尿もれに関連する生活習慣(週刊朝日 2018年1月5-12日号より)
尿もれによって気が落ち込むことがありますか?(週刊朝日 2018年1月5-12日号より)
尿もれによって気が落ち込むことがありますか?(週刊朝日 2018年1月5-12日号より)
一日中家にいる日はどのくらいありますか?(週刊朝日 2018年1月5-12日号より)
一日中家にいる日はどのくらいありますか?(週刊朝日 2018年1月5-12日号より)

 12月初旬。四谷メディカルキューブ(東京都千代田区)の会議室では、頻尿や尿もれなどの問題で悩む女性のための勉強会「Swanの会」が開かれていた。同院泌尿器科部長の嘉村(よしむら)康邦さんの発案で始まり、今回で15回目を迎える。病気に対する解説や、医師や看護師が個別の相談に応じていることから、10名の定員を上回る申し込みが来ることもあるという。

【尿もれに関連する生活習慣はこちら】

「世界的にも、尿もれはQOL(生活の質)を損なうとして問題視されているにもかかわらず、日本では関心があまりにも低い。どうしていいかわからず困っている方がとても多いんです」(嘉村さん)

 尿のトラブルを抱えているのは、女性だけではない。平成25年の国民生活基礎調査では、頻尿は男性192万人、女性159万人、尿失禁(尿もれ)は同48万人、同105万人。男性にも同じように症状があるのだ。

 30年以上にわたっておしっこの問題に取り組む、NPO法人快適な排尿をめざす全国ネットの会の理事長で、泌尿器科上田クリニック(京都市中京区)院長の上田朋宏さんは危惧する。

「頻尿や尿もれがあると、においなどが気になって外出を控えるようになる。閉じこもりのような状態になり、認知症やうつ状態のリスクを高めてしまうのです」

 尿もれ経験者を対象にしたユニ・チャームの調査では、尿もれで「気が落ち込むことがある」と回答した人は約5割に上った。60~70代の4人に1人が「尿もれのために週に5日以上外出していない」と回答した。そうなると、たかが頻尿、たかが尿もれ、では済まされない。上田さんはこう訴える。

「尿トラブルで大事なのは三つ。“あきらめない”“泌尿器科に行く前にやるべきことをやる”“それでも改善できず、毎日が楽しくなく、気持ちがふさぐようだったら泌尿器科へ行く”です」

 そもそも尿トラブルといっても、さまざまな症状がある。今回取り上げるのは、頻尿と尿もれだ。

 頻尿とは、一般的に「起床から就寝までのトイレの回数が8回以上」のことを指す。本人の困り具合も一つの目安で、8回未満でも排尿回数が多くてつらいと感じれば、頻尿となる。

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