細野豪志衆院議員と会談した後、報道陣の質問に答える小池百合子都知事(右)、と若狭勝衆院議員 (c)朝日新聞社
細野豪志衆院議員と会談した後、報道陣の質問に答える小池百合子都知事(右)、と若狭勝衆院議員 (c)朝日新聞社

 小池百合子東京都知事の側近である若狭勝衆院議員(無所属)が9月16日、政治塾「輝照塾」を開講する。塾には約600人の応募があり、選考を通過した約200人が参加する予定だ。初回の講師は小池氏が務める。

 若狭氏は、民進党を離党した細野豪志衆院議員らと連携して「小池新党」の結成を急いでいる。新党結成となれば政界再編のカギを握るだけに、政界関係者やメディアからの注目は高まるばかりだ。

 だが、小池新党の内情は“学級崩壊”寸前だという。

 小池氏が特別顧問となっている地域政党「都民ファーストの会」では、代表を務めていた野田数氏が10日に辞任。小池氏の元秘書で、7月の都議選で初当選した総務会長の荒木千陽都議が代表に就いた。

 荒木新代表の選出は、小池知事を含む都ファ幹部3人による密室の会議で決まったため、同党所属の都議から異論が噴出。音喜多駿都議は、ツイッターで「代表選出のプロセスには異議があることを強く主張し、新代表の現時点での就任には反対」と批判した。

 野田氏電撃辞任のウラには何があったのか。都ファ関係者は言う。

「国政進出の主導権争いで、野田さんと若狭さんの関係が悪かった。若狭さんが目立っていたので、党内の“男の嫉妬”は大変なものですよ。それで野田さんを外して、小池さん、若狭さんとうまくやっていけそうな荒木さんが選ばれた。それだけの話です。都ファは統制が取れず、学級崩壊状態です」

 男の嫉妬は時に破滅を招く。新党結成前に内部紛争が勃発するなかで、若狭氏の政治家としての力量が試されるが……。

「若狭さんには政治家としての経験が少ない。党運営を任せても新党結成までの段取りはできない。小池都政に協力してくれている連合や創価学会との関係も悪化しかねない。政局は流動的だし、政治的な調整はしばらくは小池さん本人がやることになる」(小池氏周辺)

 組織人としての行動ができず、激しい党内対立を繰り返すのは民進党のお家芸。だが、小池氏の周りに集まっている議員たちも似たり寄ったりだ。前出の都ファ関係者は「民進党から離党してきた国会議員も含め、小池さんの周りに集まっている人は保守色が強い。若狭さんと細野さんが目指している方向性では、自民党の補完勢力になりかねない」と嘆く。

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