現在は東アジア共同体研究所理事長を務める鳩山由紀夫さん。ライフコーディネーターである妻・幸さんとの出会いは今から50年近く前のこと。お二人自身が結婚までのいきさつ、その後の生きざまを語る。
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夫:出会いは1970年。わたしがアメリカに留学することになったとき、当時付き合っていた女性のお母さんが「この人を頼ったらいいわよ」と、彼女を紹介してくれたんです。
――18歳からタカラジェンヌとして活躍してきた妻は、25歳で最初の結婚をし、芸能界を引退。サンフランシスコで、当時の夫が経営する和食店を手伝っていた。
夫:第一印象は「変わった人だなあ」(笑)。わたしは典型的な理系で、非常に四角い、キッチリした人生を歩んできたんです。そこに突然、「変幻自在!」というような、センスのいい女性が現れた。強烈でした。
妻:私は、ひょろっとした背の高い人だなって。
夫:でも、ほかの人の嫁さんでしたからねえ。普通ならそのまま終わっていたでしょう。
しばらくして、サンフランシスコの空港で後ろから「鳩山くん!」って呼ばれたんです。偶然同じ飛行機だった。そういうことが何度かありましてね。
妻:その3カ月後くらいに、また偶然会ったの。
夫:バス停に立っていたら「鳩山くん!」って。外車にさっそうと乗った彼女に声をかけられた。
妻:ちょうどお昼どきだったから「ランチ、一緒にどう?」って。
夫:偶然ではない、必然だ、と思い始めました。
妻:4歳年下で、弟みたいだったし、なにかと気にかけていたんです。彼のところに送られてくるお見合い写真も私がチェックして「この人はダメ」とか。
夫:そうこうしているうちに自然にできてしまったんです(笑)。出会ってから1年後くらいでした。