田原総一朗「トランプ大統領を選んだ米国人とソックリな日本人」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「トランプ大統領を選んだ米国人とソックリな日本人」

連載「ギロン堂」

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田原氏「世界の理想というタテマエを訴えたオバマを黒人初の大統領に選んだ後に、タテマエをかなぐり捨ててホンネを絶叫する人物を大統領に選ぶとは、米国とはおもしろい国だ」 (※写真はイメージ)

田原氏「世界の理想というタテマエを訴えたオバマを黒人初の大統領に選んだ後に、タテマエをかなぐり捨ててホンネを絶叫する人物を大統領に選ぶとは、米国とはおもしろい国だ」 (※写真はイメージ)

 ジャーナリストの田原総一朗氏は、「日本のマスメディアに気になる変化が起きている」という。

*  *  *
 トランプ米大統領が、大統領令でイスラム圏からの人々の入国を一時的に認めないことにした。特にイラン、イラクなど7カ国の国民については米国のビザを持っていても入国を認めないことにした。

 これに対してワシントン州の地裁は、大統領令の一時差し止めを命じた。つまり大統領令は実施できなくなったわけだ。トランプ大統領は地裁の決定は間違っていると不服を申し立てた。ところが連邦控訴裁は、大統領令の差し止めを支持した。

 このことを報じた日本の各紙は「混乱に拍車」とか「泥沼化」という表現を使っているが、私はこうした表現に強い違和感を抱いた。大統領が命じても地裁や連邦控訴裁がそれを差し止めるというのは、立法、司法、行政の三権分立が機能している。つまり民主主義が健全に機能しているということではないか。

 それにしても、世界の理想というタテマエを訴えたオバマを黒人初の大統領に選んだ後に、タテマエをかなぐり捨ててホンネを絶叫する人物を大統領に選ぶとは、米国とはおもしろい国だ。もっとも、それは米国人が追い詰められて理想を求めるゆとりをなくした、ということでもある。

 ところで、ここへきて日本のマスメディアで気になる変化が起きている。とくに書籍や雑誌で、韓国や中国を厳しく批判し、両国の将来展望を否定する内容のものが増え、また、それらの書籍や雑誌が売れているようなのである。逆に言えば、韓国や中国を厳しく批判すると売れ行きが伸びるので、そうした内容の書籍や雑誌が増えているのであろう。そして、そうした書籍や雑誌は例外なく、日本経済を強いととらえ、日本の将来を明るく描いている。

 こうした現実はどのように判断すればよいのか。


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