東尾修「『黒田シリーズ』のドラマ性」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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東尾修「『黒田シリーズ』のドラマ性」

連載「ときどきビーンボール」

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週刊朝日#東尾修
引退表明で「最高のシーズン、悔いはない」と語った広島の黒田博樹投手=10月18日 (c)朝日新聞社

引退表明で「最高のシーズン、悔いはない」と語った広島の黒田博樹投手=10月18日 (c)朝日新聞社

 西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、今回の日本シリーズが引退を表明した広島・黒田博樹投手の「黒田シリーズ」といっても過言ではないという。

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 広島の黒田博樹が今季限りでの引退を表明した。10月18日。日本シリーズ開幕の22日の4日前というこの時期の表明に驚いた。報道を見ると、本人も発表には「チームに迷惑がかかる」と考えていたが、同僚の新井貴浩が公表することに背中を押したとあった。

 黒田ほどの実績、そして功績ならば私も賛成だ。ファンは雄姿を目に焼き付けることができる。そして、黒田が考えているような日本一へ向かうチームの心理的な面にも好影響を与えるだろう。「逆に硬くなるのでは」と考える方もいるだろうが、今季の広島は黒田の日米通算200勝、新井の2千安打を全員で達成させようという中でスタートした。「2人に恥をかかせられない」という意識もチームのモチベーションになったはずだ。だから、より一層、シリーズへ向けた集中力は高まると予想している。

 特に投手にはこれ以上のモチベーションはない。誰もが黒田の背中を見て、そして黒田のアドバイスをいま一度思い出すはずだ。相手を意識した重圧というよりも、黒田の教えを胸に、マウンドで力を発揮することだけを考えるだろう。

 それにしても、近年は日本でも米大リーグでも、「引退」を公表し、ファンに最後の生き様を見てもらおうという意識に変わってきた。ミスターヤンキースであったデレク・ジーター、長くレッドソックスで活躍したデービッド・オルティスは、シーズン前にラストイヤーであることを公言した。日本でも、DeNAの三浦大輔はレギュラーシーズンで球団が初めてCS進出を決めた直後に現役引退を表明。CSでは、チームもファンも「三浦さんと一日でも長く野球を」が合言葉となっていた。


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