格差に敏感に反応する韓国社会では「何千億ウォンも保有する金持ちが、あまりにも貪欲だ」「財閥5位の創業者は子供にどんな教育をしていたのか」などと非難が噴出している。

「朴政権は4月の総選挙での与党惨敗後、レームダック。一連の捜査は、それを少しでも緩和するためだ。また、政敵の李明博前大統領時代の、123階建てロッテワールドタワーの建設許可を巡る疑惑に焦点を当て、李前大統領の側近をねらったものともいわれる」(別の韓国全国紙記者)

 宏之前副会長は異母姉の逮捕に対し、遺憾の念と現在の経営体制を批判するリリースを即日に出した。

 武雄総括会長と昭夫会長が出国禁止となり、昭夫会長の右腕といわれるグループ系列社代表の日本人にも捜査が入るともいわれる。ロッテの捜査は始まったばかりだ。(本誌・鳴澤 大、太田サトル、山内リカ、秦 正理、吉﨑洋夫/岸本貞司、韓国在住ジャーナリスト・菅野朋子)

週刊朝日  2016年7月22日号