5月3日の築地市場まつりは大盛況だったのだが (c)朝日新聞社
5月3日の築地市場まつりは大盛況だったのだが (c)朝日新聞社

 11月7日に迫る築地市場(東京都中央区)から豊洲新市場(同江東区)への移転を巡り、異常な事態を迎えている。

 移転に反対する「築地市場・有志の会」が移転日程の撤回を求める署名を集めたところ、築地市場で営業する591店舗の水産仲卸業者のうち、320の業者(5月27日現在)が署名に応じた。移転まで半年を切ったというのに、過半数が“拒絶反応”を示しているのだ。東京中央市場労働組合の中澤誠執行委員長がこう説明する。

「4月に行った無記名のアンケートでは、80%以上が移転スケジュールに反対でした。署名を集める過程では、『移転までに店舗の権利を他に売って廃業するから、署名はできない』という方もかなりいた。つまり、仲卸業者の多くは移転を望んでいないんです」

 業者から聞こえてくるのは、都が進めるずさんな計画への怒りだ。まぐろ仲卸業者で「有志の会」メンバーの和知幹夫氏は憤る。

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