プロ生活で一番シビれたバッターは、やっぱり松井(秀喜)さん。ジャイアンツ時代に近くで見ていた松井さんとアメリカで初めて対戦した。すごくワクワクしたし、身震いもしました。同じ舞台に立てたというのがすごく嬉しかった。

 最後の試合はジャイアンツ戦。引退セレモニーで、(高橋)由伸と抱き合ったときは「お疲れ様」「ありがとう」と。由伸と僕は同い年で、長く一緒にやってきて、いい思いもつらい思いも共有してきた。僕がタイトルとったときも由伸が守ってくれて、ホームランもたくさん打ってくれた。彼に対する思い入れはすごく強くて、実は「最後のバッターやってくれないか」って頼んでたんです。ジャイアンツが優勝とクライマックスシリーズ出場をまだ争ってる中、由伸は「いいよ」って言ってくれて。かなわなかったけれど、すごく感謝してます。彼の存在がなかったら、ここまで長くやってなかった。

 今はとにかく寝て、食べて、ぐだぐだになるくらいゆっくりしたいですね。

週刊朝日 2015年11月13日号