図書館の使命が全くわかっていない?(※イメージ)
図書館の使命が全くわかっていない?(※イメージ)

 TSUTAYAの運営で知られるカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に、全国で初めて図書館運営を委託し、注目を浴びた武雄市図書館(佐賀県)。お粗末な運営に、ネットやメディアを巻き込んで波紋が広がっている。

 リニューアル時に約2千万円の公金で1万冊ほどを購入。それらの多くがCCC提携(当時)のネットオフでは“1冊108円”で売られている古本だったことを、本誌(9月11日号)が報じて話題を集めた。

「古いPC本などがあって不思議でしたが、新古書店から買っていたなんて。旧図書館もすてきだったのに、わざわざ税金を使ってリニューアルする必要があったのか疑問です」(武雄市民)

 ネットや関連報道が盛り上がる中、CCCは10日、自社のホームページで、「より精度の高い選書を行うべき点があった事を反省しております」と、代表取締役社長兼CEOの増田宗昭氏の名前で事実上のおわびを掲載。オープンから約2年半で一度も貸し出しがない蔵書が1630冊あるとして、新たに選書して同冊数を寄贈すると発表した。

「武雄市図書館・歴史資料館を学習する市民の会」の代表世話人・井上一夫氏は、「図書館の使命が全くわかっていない」と憤る。

「館内で借りて読む人もいるはずですが、一度も借りられていないことを理由に、同じ冊数を寄贈するというのはレンタル店の発想でしかない。市民のためにはどんな本が良いか十分に検討しないと、いくら寄贈されても負債になってしまう」

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