再稼働 川内原発の“大事故”が危ぶまれる本当の理由 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

再稼働 川内原発の“大事故”が危ぶまれる本当の理由

このエントリーをはてなブックマークに追加
ジャーナリスト・桐島 瞬週刊朝日#原発
再稼働直後、事故を起こした川内原発 (c)朝日新聞社 

再稼働直後、事故を起こした川内原発 (c)朝日新聞社 

 発端は、2012年1月。カリフォルニア州サンオノフレ原発3号機で、交換後の蒸気発生器の配管から放射性物質を含む水漏れ事故が起きたことだった。

 蒸気発生器とは加圧水型原子炉に備わる装置で、タービンを回して発電するための蒸気を作り出す重要なもの。それが新品に交換した後に故障したのだ。

 同原発を運営する南カリフォルニア・エジソン社は、装置内に張り巡らされた伝熱細管と呼ばれる管が異常摩耗していたことが原因だったと断定。定期点検中の2号機にも同様の摩耗が見つかった。米国でこの問題を取材していたジャーナリストの堀潤氏が解説する。

「米原子力規制委員会(NRC)の調査では、問題となった三菱重工業製の蒸気発生器の1万5千カ所以上に異常な摩耗が見つかったと報告されました。しかもNRCによると、三菱重工は製造した蒸気発生器に欠陥部分があることを設置前に認知していて、それを認めた報告書を12年9月にNRC側に提出していたと言います」

 そのとおりなら、三菱重工は欠陥品を売ったことになる。事態を重く見たNRCは、原因究明と安全確保がなされるまで再稼働を禁止。12年10月には、神戸にある三菱重工の事業所に抜き打ち検査を行った。

「そのときNRCは、蒸気発生器の欠陥部品を改良した配管に対する安全検査の方法が、連邦法などが定める基準に沿っていないことを見つけたのです。具体的な問題点は、[1]住友金属工業(現・新日鉄住金)から購入したモックアップ用配管が検査要求を満たす仕様になっていたか確認しなかった[2]東京測器研究所による市販の測定サービスの精度が基準を満たすか確認していなかったことなどです」(堀氏)

 つまり、三菱重工側の品質保証が、NRCや顧客の求める基準を満たしていなかったということになる。

 トラブルを起こした蒸気発生器は「経済性重視」のため、設計上の無理があったとの指摘もある。

 原子炉停止に追い込まれたエジソン社は早期再稼働を目指すが、周辺住民が反発。NRCも安全性が確保できないとして再稼働許可を与えず、13年6月にサンオノフレ原発は廃炉の選択を余儀なくされる。

 その後、責任を巡ってエジソン社と三菱重工の泥仕合が始まる。エジソン社は検査や補修にかかった費用1億ドル(約97億円)を三菱側に請求したが、折り合いがつかず13年に国際仲裁裁判所(国際商業会議所)へ仲裁を申請。そして今年7月、「欠陥のある蒸気発生器を設計、製造した三菱重工には甚大な被害の責任がある」として75.7億ドル(約9300億円)を請求したのだ。

 問題は三菱重工製の蒸気発生器が、再稼働した川内原発の加圧水型の原子炉(同社製)にも採用されていることだ。


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい