清純派女優の上戸彩(29)が、不倫妻役に挑戦して話題になったドラマ「昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜」(フジテレビ系)。視聴率は毎回2桁で、9月25日の最終回は16・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・以下同)と同時間帯トップで幕を閉じた。芸能ジャーナリストの佐々木博之氏も手放しで絶賛する。

「今期の民放ドラマでは、同じフジテレビ『HERO』の平均視聴率21・3%に続く、13・9%で2位と大成功でした。背景には、ここ数年、NHKが牽引役となって、不倫ドラマ流行りだったこともあります」

 確かに、最近のNHKが放送したドラマを振り返れば、うなずける。2010年の「セカンドバージン」、11年の「カレ、夫、男友達」、12年の「はつ恋」。13年が「ガラスの家」で、今年は「紙の月」と、不倫祭り。

 そこに「昼顔」が登場したのだから、日常に飽き足らない主婦層が食いつかないわけがない。コラムニストのペリー荻野氏も、注目したひとりだ。

「私も含めて視聴者は、10代の少女だった上戸彩さんを知っています。禁断の愛に踏み込む大人の女性に脱皮できるのか、と遠い親戚の成長を見守る心境だったのではないでしょうか」

 キャスティングも絶妙だった。

「上戸彩、吉瀬美智子の夫役を務めた鈴木浩介と木下ほうかが、こんな旦那ならばつらいだろうなと視聴者が共感するような、変わり者を見事に演じた。そこにイケメンだけど、不器用な高校教師、斎藤工が王子さまさながらに登場する。配役も脚本も見事でした」(ペリー氏)

 これまで強烈なハマリ役のなかった上戸は、EXILEのHIROとの結婚で円熟味が増し、今回の出世作につながったと言われる。上戸自身も、「今回は自由に演じることができた」と話しているという。

 人妻になっても売れっ子になっても、謙虚な姿勢を忘れない上戸は、現場でもスタッフ受けがいい。おネエ映画ライター、よしひろまさみち氏がこう証言する。

「この6月に、米ロサンゼルスで偶然、同じホテルのロビーに居合わせたの。上戸さんが取材で2、3回しか会ったことのないアタシのほうに歩いてきて、『お世話になっています。いろいろ書いてくださってありがとうございます』とあいさつしてくれたのよ。トップ女優であり、トップアーティストの妻になったのね、と感じたわ」

 芸能関係者によると、子どもを望んでいる上戸とHIROは、妊活のために今年のスケジュールを緩めに組んだという。一皮むけた上戸の活躍をまだまだ見てみたい。

週刊朝日  2014年10月10日号