東大医学部教授が解雇された“不適切な”100万円 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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東大医学部教授が解雇された“不適切な”100万円

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舞台となった東大病院 (c)朝日新聞社 

舞台となった東大病院 (c)朝日新聞社 

 政界だけでなく、医学界でも「不適切なカネ」を巡る騒動があった。

 東京大学の発表によると、3月28日付で、とある大学院教授、甲(男性50代)が突然、諭旨解雇された。理由は何なのか?

 同広報課によると、2010年の夏ごろ、甲は知人から教授就任の祝儀の名目で、現金100万円を受け取った。後日、甲はこの知人が東大大学院受験を希望していることを知り、翌11年度入試を勧めた。11年度の東大大学院入試の口述試験委員を務めていた甲は、入試で便宜を図るような態度を取っていたが、出願時期になり「受け入れは難しい」と態度を翻し、結果、知人は不合格となったという。

 この知人が大学のハラスメント防止委員会に訴え出たことにより、今回の不祥事が発覚したのだ。

 同広報課は本誌に対し、甲の実名や役職など詳細を一切、明らかにしなかった。

 だが、本誌が取材を進めると、解雇されたのは、東大医学部眼科学教室の教授だった天野史郎氏(52)だとわかった。

 1986年に東大医学部を卒業し、95年にはハーバード大の研究員も務めた天野氏は、角膜再生医療のスペシャリストとして知られ、10年5月から東大医学部教授として登用された。そのような輝かしい経歴を持つ天野氏はなぜ、100万円を受け取るに至ったのか。『学歴ロンダリング』(光文社)の共著者で東大大学院OBでもある、ジャーナリストの神前悠太氏は語る。

「大学院の入試は採点にあいまいな部分があり、教授の裁量が大きい。学部に比べて入学が易しいこともあって、教授からすれば、便宜を図るくらいは『たいしたことがない』という甘い認識があったのかもしれません。入試の合否に関係なく、受け取った祝儀はすぐに返すべきでした。でなければ、入試の公平性が疑問視されることは明らか」

 今回の件について天野氏を直撃したところ、「代理人を通して連絡させる」と繰り返すばかり。その後、代理人を通して「回答できない」との返事があった。

 医療ジャーナリストの伊藤隼也氏は苦言を呈する。

「眼科学教室の教授ということは、天野氏は大学病院の眼科医でもあったわけです。大勢の患者を抱える公共性の高い立場にいたのですから、役職に関しては公表されるべきです。医学部の教授は入試はもちろんのこと、系列病院の人事や製薬会社との深い付き合いなどで、不適切な金銭を授受する可能性がある立場。高い倫理観が求められます」

 誠意ある説明が待たれる。

(本誌取材班)

週刊朝日  2014年4月25日号


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