2014年の私大入試の志願者数が発表された。志願者の増加率がトップだったのは、前年比6割増の摂南大(大阪府)。吉村雅弘入試部長が増加の要因をこう語る。

「今年の受験生は超安全志向といわれましたので、併願校として受けてもらえるよう、入試制度改革を実施しました。1回の受験で2学部を受けられる他学部併願制度、インターネット出願割引制度を導入したのが大きかった」

 紙出願の受験料は3万5千円だが、ネットを使った「スマート出願」だと1出願につき5千円割引になる。大学が指定する受験をセットにした「スマートパック」は2出願で3万5千円、センター利用入試のネット出願では全学科受けても1万円と、さらにお得だ。また、理系人気にもあやかった。

「7学部14学科のうち8学科が理系学科ということも追い風となりました。いちばん増えているのが薬学部です」(吉村部長)

 他大学でも同じような傾向がみられるが、志願者増の要因に「入試制度改革」「理系人気」がある。日本大(志願者数4位、増加数6位)と、法政大(志願者数、増加数各5位)も同様だ。

 日本大は「N方式」と呼ぶ統一入試を今年初めて導入した。統一入試とは、同一試験日に同一問題で複数学部・学科を受験できる制度だ。日本大は統一入試を今年2度実施し、多くの受験生を集めた。

「N方式の導入、理工系学部の志願者の大幅増、文系でも、志願者が低迷していた法学部(第1部)の志願者増によって、全体の志願者が増えました」(入学課担当者)

週刊朝日  2014年4月4日号