がん患者が「通いたい」と思わせる抗がん剤治療のさまざまな工夫  〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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がん患者が「通いたい」と思わせる抗がん剤治療のさまざまな工夫 

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 がん治療の大きな柱のひとつ、抗がん剤治療。手術や放射線治療と異なり、長期戦になる可能性があるだけに、抗がん剤治療を受けるなら、納得のいく病院を選びたいところだ。

 抗がん剤治療というと、かつては入院で実施するのがふつうだった。点滴時間が長く、副作用が強く出ることが多かったからだ。

「それが、いまは副作用対策が充実し、投与法の改善で点滴時間も短くなった。長時間病院にいる必要がなくなり、通院での治療が一般的になりました」

 こう話すのは、和歌山県立医科大学病院(和歌山市)腫瘍センター副センター長の上田弘樹医師だ。同院にはスーツ姿で来て、抗がん剤治療を受けてから出社する患者も少なくないという。

 もちろん、抗がん剤治療はそれなりに時間がかかる。そこで外来化学療法室(名前は施設で異なる)には、患者が治療中に退屈しないよう、さまざまな工夫がしてある。

 例えば、同院の化学療法センターでは、DVDやテレビ番組が見られるモニターが、ベッドやリクライニングチェアの脇に設置されている。両側には自由に開け閉めできるカーテンがあるので、プライバシーも守られている。

「ここで患者さんは、映画やテレビ番組を見たり、本を読んだり、あるいは眠ったりして、時間を過ごしています」(上田医師)

 近畿大学病院(大阪府大阪狭山市)通院治療センターも、患者にリラックスしながら治療を受けてもらう環境が整っている。基本的な構造は前出の和歌山県立医科大学病院と同じだが、記者がとくに注目したのは、待ち合いから薬剤師が抗がん剤の調整(ミキシング)をしている様子が見えるところだ。

 同院薬剤部の藤原季美子さんは、こう説明する。

「複数の抗がん剤を、決められた内容のとおりにミキシングする作業は、とても手間と時間がかかります。患者さんからガラス越しに見える場所で作業することで、薬剤師の仕事もわかってもらえますし、抗がん剤がどうやって自分のもとに届くのか、知ってもらうこともできます」

週刊朝日  2014年4月4日号


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