国会で山口公明党代表の問いかけにもつれない態度の安部首相 (c)朝日新聞社 @@写禁
国会で山口公明党代表の問いかけにもつれない態度の安部首相 (c)朝日新聞社 @@写禁

 切り札の「小泉劇場」は大人気なものの、世論調査で窮地に立たされる細川、小泉両元首相コンビ。2位を目指し猛追する宇都宮氏を尻目に、永田町では原発再稼働を目論み、原子力村が再び轟きだした。そんな中、早くも楽勝ムードの安倍自民党は、都知事選よりも責任野党編成を気にしているようだ。

「世論調査はどんなことがあってもひっくり返らない。小泉さんが細川さんに加担した時は、相当な“核融合”が発生すると正直怖かったが、不発弾で終わりそうだ」(自民党関係者)

 当初は“最悪”のケースも想定したという自民党だが、「無党派層の支持でも差をつけ、舛添圧勝ペース」とすっかり余裕なのだ。

 そして今、永田町の話題となっているのが「連立の組み替え問題」だ。

 自民党と公明党は1999年以来、野党に転落した時も含め、手を結び、苦楽を共にしてきた。

 それが1月24日の施政方針演説で、安倍晋三首相(59)が「責任野党とは政策協議を行っていく」と表明、みんなの党の渡辺喜美代表(61)が「歓迎する」と反応したことで、俄然、連立騒ぎが熱を帯びてきた。

 渡辺氏は2月から政策協議をしていく方針を表明。

「集団的自衛権の見直しなど、うちは『安倍カラー』と言われる政策に少しでも賛成が欲しい。みんなの党にしても野党再編を旗印に離党していった結いの党との差異化を図るため、うちに抱きつくしかない」(別の自民党関係者)

 一方で公明党内には「4点セット」と言われる、安倍首相がこだわる政策に懸案がある。集団的自衛権の見直し、武器輸出三原則の見直し、教育政策、そして憲法改正だ。

 いずれも平和の党を標榜する公明党にとって容認できない課題ばかり。だが今のところ、安倍首相は公明党に譲る気配はない。

「これだけ畳み掛けてこられると、支持母体の創価学会への説明が苦しくなる。1月の沖縄・名護市長選で支援しなかったことへのあてつけなのか。強引にやってくるなら連立離脱カードしかない」(公明党関係者)

週刊朝日  2014年2月14日号