問題の写真集 (c)朝日新聞社 @@写禁
問題の写真集 (c)朝日新聞社 @@写禁

写真集は約50ページの全編にわたって勃起した状態の男性器が写っていました。中には射精を想起させる白い液体がついたものもあった。そのため、警視庁はわいせつ性が高いと判断し、逮捕に踏み切ったのです」(捜査関係者)

 警視庁は4日、わいせつ図画頒布の疑いで、シンガポール出身の写真家レスリー・キー氏(41)と、写真展を主催したスタジオ経営者(45)ら3人を逮捕した。レスリー氏は2日夜に東京・六本木のギャラリーで、男性モデルの性器が写った写真集を1冊6千円で7冊販売したとされる。

 レスリー氏といえば、広告やファッション誌をはじめ、浜崎あゆみやレディー・ガガなど国内外の有名アーティストの写真を手がけ、海外での知名度も高い。“わいせつ”で摘発されるとは意外な気もするが――。

「レスリーは以前から、過激な男性ヌード写真でも高い評価を得ていた。最近では、浜崎あゆみの元夫で俳優のマニュエル・シュワルツのヌード写真集『SUPER MANUEL』で話題になりました。あゆは事前にこのことを知らなかったため、これが原因で離婚した、とも囁かれました」(芸能関係者)

 遡(さかのぼ)れば、小説『チャタレイ夫人の恋人』を翻訳した伊藤整や、映画「愛のコリーダ」の大島渚監督など、性描写を巡る警察とアーティストの攻防は今に姶まった話ではない。2008年には、米国の写真家ロバート・メイプルソープの写真集輸入を巡る裁判で、輸入禁止処分をした国側が最高裁で負けた例もある。エロか芸術か、それが問題だ。

週刊朝日 2013年2月22日号