暴走する御大に引きずり回され、首をかしげる河村氏 (c)朝日新聞社 @@写禁
暴走する御大に引きずり回され、首をかしげる河村氏 (c)朝日新聞社 @@写禁

 日本維新の会が暴走老人に引きずられ、“変節”している。橋下徹代表代行はかつて「政策が完全一致した集団」と誇っていたが、石原慎太郎前東京都知事を新代表に迎えた途端、「核保有」から「企業・団体献金容認」までぶち上げる。

 かくも強烈な暴走老人が引っかき回しているのは、維新内部だけではない。維新からつまはじきにされた減税日本の河村たかし名古屋市長は22日、亀井静香前国民新党代表らと新党「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」を立ち上げると発表した。河村氏はこれまでの曲折を週刊朝日にぶちまけた。

「信じられんことが起こるもんだ。慎太郎さんから『一緒にやるぞ。維新側からかなり言われていて、きついところもあるが任せてほしい』と言うんで一任したら、白紙だぎゃ。維新の松井(一郎)さんとはずっと話をしとって、『うちは増税、河村さんは減税で組めん』と言われていた。でも、大学の大先輩の慎太郎さんから『何とかする』と言われれば、誰でも信じますよ」

 しかしその後、石原氏から直接連絡はなく、減税日本との合流構想について記者団に聞かれた石原氏が、「党名がよくない。粗雑だ」と語る映像がニュース番組で繰り返し流れた。破局が決定的になったのは20日、東京・赤坂にある旧太陽の党事務所で石原、平沼赳夫両氏らと会談したときだった。

「慎太郎さんに『亀井さんに誘われております。そういう道もあります』と仁義を切りました。第三極が大きくまとまればという思いは、今も変わりゃぁ~せん。維新も威張ってばかりではいかんですよ」(河村氏)

週刊朝日 2012年12月7日号