(c)朝日新聞社@@写禁
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 味噌に醤油、納豆、豆腐――大豆食品は、日本人に古くから親しまれてきた。食卓の脇役的な存在ではあるが、大豆に長寿の秘訣があるとする研究結果が相次いでいる。

 大豆のどこがすごいのか。多くの専門家が注目するのが、大豆に含まれるイソフラボンだ。

 大豆イソフラボンの働きは大きく分けて二つある。

 一つ目は、血管の働きをよくすること。イソフラボンには、血管を拡張させ、血液の流れをよくする効果があるとされる。高血圧や脳卒中の予防もできそうだ。肌ツヤも若々しくなるという。

 二つ目は、肝臓の働きをよくすること。イソフラボンは、肝臓にある悪玉コレステロールを処理する「受け口」をつくるというのだ。「受け口」が多いほど処理は進むため、善玉の割合を増やすことになる。動脈硬化の予防になるというわけだ。

 そしてさらに、もう一つ。欧米で多い乳がんや前立腺がんを抑える働きがあるという。いろいろながん細胞が増えるのに必要な栄養を供給する血管を作らせない働きをするとの報告がある。

「栄養を断ち切れば、がんは大きくならない。がんを兵糧攻めにできるのです。血管を伝って全身に広がらないため、おとなしいがんとなり、共生できる」(武庫川女子大学国際健康開発研究所・家森幸男所長)

週刊朝日 2012年10月26日号