オウム幹部・村井秀夫刺殺事件に残る謎 「犯人はユダ」? 

2012/07/07 07:00

 高橋克也容疑者の逮捕により、特別指名手配犯が全員逮捕されたオウム真理教事件。教団が起こした事件は数え切れず、いまだ謎も多い。17年たったいまも真相は闇の中にある「村井秀夫刺殺事件」を振り返る。

 1995年4月23日夜、東京都港区南青山のオウム真理教東京総本部前で、教団の村井秀夫幹部(当時36)が包丁でわき腹を刺され、翌日未明に死亡した。

 多くの報道陣の目の前で起こった事件。殺人未遂の容疑で現行犯逮捕されたのは、右翼団体構成員を名乗る29歳の徐裕行容疑者(当時)だった。

 逮捕から数週間後。徐容疑者は事件前に暴力団幹部(当時)と会っていたことを供述し始めた。

 捜査当局は、暴力団幹部を殺人の容疑で逮捕。実行犯である徐容疑者に犯行を依頼した暴力団幹部から供述を引き出し、さらにその幹部に依頼した人物へと指揮系統をたぐっていく――捜査当局はこんな構図を描いていた。

 だが、暴力団幹部と徐容疑者の主張は食い違い、捜査は難航した。

 95年に徐被告は懲役12年の実刑が確定。一方、暴力団幹部には97年、無罪判決が下った。裁判長は「事件は単独犯行ではなく、何らかの背後関係があると強く疑われる」と指摘したが、「暴力団幹部が犯行を命じた」という徐供述の信用性を否定した。

 事件当日、村井は瀕死の状態で病院に搬送される際、「誰にやられたんだ」という救急隊員の質問に対し、「ユダ、ユダ」と繰り返し答えたという。ユダといえば、キリスト教ではイエスを裏切ったとされる人物だ。はたして教団内にユダはいたのか。村井はなぜ殺されたのか。

※週刊朝日緊急増刊 オウム全記録


週刊朝日

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