「美しすぎるカーリング娘」と呼ばれる市川美余(22)=中部電力=と、マリリンこと本橋麻里(25)=ロコ・ソラーレ北見=が同じチームで一緒に戦うところを応援したいと期待した諸兄は、さぞガッカリされただろう。カーリング女子の日本代表チームの選考方法が決まらず、結論が先送りされたからだ。

 従来は日本選手権(2月14日閉幕)の優勝チームがそのまま日本代表に選ばれたが、今回はメンバーを選抜して日本代表を編成する案が浮上した。

 それは昨年の日本選手権で優勝し、同11月のパシフィック・アジア選手権に日本代表として出場した中部電力が4位(最下位)となり、2位までに与えられる世界選手権への出場権を得られなかったからだという。

「中部電力は国際試合に弱いというイメージで、JOC(日本オリンピック協会)から『選抜チームにしてみては』という声が上がったそうです。そこには人気選手を集めたほうがスポンサーが付きやすい、という思惑も(笑い)。ただ、カーリングは"氷上のチェス"と呼ばれるほど戦略的な競技。司令塔の"スキップ"と他の選手との間の信頼関係が大切だそうです。だから時間をかけてチームを作るので、選抜という方式はなじまないそうです。当の中部電力以外のチームからも、(選抜では)やりたくないという話を聞きますね」(五輪代表記者)

 実は日本代表は崖っぷちに立たされている。今年11月のパシフィック・アジア選手権で2位以内にならないと、ソチ五輪不出場が確定してしまうのだ。

「だから、その代表をいかに決めるかでゴタゴタしているんですよ。ちなみに、カーリングに限らず日本の女子のチームスポーツの代表は、選抜より単独チームのほうがいい、という意見があるのも確かです。"東洋の魔女"と呼ばれた東京五輪バレーボール代表はほぼニチボー貝塚でしたし、日立武蔵というチームがそのまま全日本という時代も長かったですからね」(ベテランの五輪担当記者)

※週刊朝日2012年3月2日号


週刊朝日