「ベストセラー解読」に関する記事一覧

かないくん
かないくん
人はいつか死ぬ。このことを、ちゃんと意識したのは何歳のときだったろう。 『かないくん』は死をテーマにした絵本だ。文章は谷川俊太郎。絵は松本大洋。  語り手は小学生である。かないくんは学校で隣の席にいる子。でも欠席がつづいている。かないくんは入院し、やがて亡くなってしまう。それからしばらくたち、かないくんを思って泣いていた同級生たちも、彼のことを忘れたかのように遊んでいる。  ここまでが前半である。後半に入ると、じつは前半のお話は、老絵本作家が描いたスケッチだとわかる。語り手は絵本作家の孫だ。スケッチは少年が死とは何かを考えるところで止まっている。絵本作家はガンが進行していて、もう来年の桜は見られない。 「死を重々しく考えたくない、かと言って軽々しく考えたくもない」と絵本作家はいう。自分の死を前にしても、まだ物語をどう終えるかがわからない。  なんてすごい絵本なんだろう。読み終え、本を閉じたあとでも、ずうっと「死とは何か」と考えさせる。  松本大洋は『鉄コン筋クリート』や『ピンポン』などで知られる漫画家だ。彼がこんなに静かで美しい絵本をつくるとは驚きだ。谷川俊太郎がひと晩で書いたお話に、松本大洋は2年かけて絵を描いたのだという。それだけの時間の厚みが伝わってくる。 『かないくん』を読んでいて、ぼくも小学校2年生のときに亡くなった級友を思い出した。かずやくんは、自宅のそばで材木を運ぶトラックにはねられて死んだ。学校に水仙の花を持っていってかずやくんの机に飾ったこと、先生が泣いていたこと、みんなで葬式に行ったことなどを思い出した。  ぼくにとって、かずやくんの死が、生まれて初めて実感した死だったのかもしれない。  この絵本を読んだ人は、きっと誰か死んだ人のことを思い出すだろう。死者はぼくらとともにいる。
ベストセラー解読
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8時間睡眠のウソ。
8時間睡眠のウソ。
人が生きているかぎり欠かせない行動の一つに、睡眠がある。それはあまりに日常的な生理現象なので、いざ不調を感じると、どうにも気になってしかたがない。そういう日本人が増えているのか、ここ数年、各メディアで睡眠に関する企画をよく見かける。  この『8時間睡眠のウソ。』は文筆家の川端裕人が、国立精神・神経医療研究センター部長の三島和夫に取材して知った、睡眠にまつわる最新の科学的知見をまとめた1冊。小説だけでなくノンフィクションでも秀作を発表してきた川端はまず、三島ら専門家が睡眠の科学で解き明かした事実を、副題にあるように「日本人の眠り、8つの新常識」として紹介する。 ・日本人は世界屈指の睡眠不足 ・「深い睡眠」が「良い睡眠」とは限らない ・睡眠時間は人それぞれ、年齢でも変化する ・シフトワークは生活習慣病やがん、うつ病のリスクを高める ・日本人の体内時計は平均で24時間10分 ・眠くなるまで寝床に向かってはならない ・「不眠=不眠症」ではない ・こま切れの睡眠はNG  どうだろう。最初の事実はうすうす察していたが、2番目を読んだ私は思わず首をひねってしまった。睡眠においては、「深い=良い」と信じてきたからだ。また、不眠と不眠症が同じではないとは、どういうことなのか……そんな私の疑問は、三島が提示する詳細な科学的根拠によって解消していったが、睡眠にはまだ謎が多いこともわかった。睡眠の2大要素である「睡眠リズム」や「睡眠時間」に大きな個人差があり、同一人物でも発達や加齢によって変化するからだ。  とはいえ、自分なりに良い睡眠を考えるとき、この本にある「12の指針」は心強いアドバイスとなる。睡眠に問題を抱える1人として、私も読後、これらを参考に改善に取り組んでいる。
ベストセラー解読
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ジェフ・ベゾス 果てなき野望
ジェフ・ベゾス 果てなき野望
昨年は札幌のアテネ書房や神戸の海文堂など、長く親しまれた老舗書店がいくつも閉店した。閉店にいたった理由は複雑だが、そのひとつがネット書店の台頭にあることは間違いない。大都市に巨大書店が増えた背景にも、ネット書店の品ぞろえへの対抗がある。ネット書店の登場は本の世界を一変させた。 『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』は、ネット書店の代名詞ともいうべきアマゾン創業者の本格的評伝である。著者のブラッド・ストーンはアメリカのビジネス誌のベテラン記者。  ベゾスは根っからの書店人ではない。もともとは金融界にいた人で、ネットを使ったビジネスを思いつき、その手始めに本をあつかったにすぎない。もっとも、だからといって書物に愛情も理解もない人間だと断じるのは早計だろう。彼の決断にはカズオ・イシグロの小説『日の名残り』が関係していたし、ある人がベゾスにびっしり書き込みされている自著を見るシーンも本書にある。まあ、巻末付録のベゾス愛読書リストにはビジネス書が多いけれど。  ベゾスは猛烈に働く人だ。部下に求めるものは大きく、応えられなければ罵詈雑言を浴びせる。現場の仕事はきつく、待遇もよくない。ブラック企業の典型のような会社だ。最も上司にしたくないタイプかもしれない。  ベゾスはひたすら会社を大きくしていくのだが、そのとき掲げるのは顧客第一である。取引先を絞り上げるのも、競争相手を潰すのも、すべては顧客のため。社員が使う経費も、それが顧客のためにならないのであれば認めない。  この勢いで攻め込まれたら、ひ弱な日本の書店界などひとたまりもないな、と思う。それと同時に、こういうエネルギッシュな人間が出てこないところに、日本の出版界の問題があるのかも、とも。  ぼくはこの本をアマゾンの電子書籍リーダー、キンドルで読んだ。ぼくの読書生活もかなりアマゾンに侵食されている。
ベストセラー解読
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自分では気づかない、ココロの盲点
自分では気づかない、ココロの盲点
街で道に迷ったとき、近くに2人の男がいたとする。1人は、さわやかな顔立ちの男。もう1人は、ボサボサ髪で無精ヒゲの男。さて、どちらに道を訊く人が多いだろうか?  本誌の連載でもおなじみの脳研究者、池谷裕二の『自分では気づかない、ココロの盲点』にはこのような問題が30個、用意されている。タイトルにある「ココロの盲点」とは認知バイアスのことで、池谷によれば、それは「脳のクセ」のようなものらしい。  たとえば冒頭の問いの場合、さわやかな顔立ちの男に訊く方が多くなるのだが、その原因は認知バイアスの1つとされるハロー効果にある。対象の目立つ特徴に着目して全体を判断してしまうハロー効果。人は見かけではないと言いつつも、いざ道を訊ねるとなれば、強面の人よりも柔和そうな人を選んでしまう「脳のクセ」を私たちはもっているのだ。  他人に囲まれて生きていく以上、できるだけ冷静に、理屈が通った判断を心がけたいと多くの人は思う。私もそうありたいと願っている。しかし、実際はどうだろう。直感や先入観によって論理的な思考はすぐに歪み、後から思えば悔やむしかない判断をくり返してはいないだろうか……すべては自分の不甲斐なさのせいだと思ってきたが、そうなる原因は、どうも認知バイアスにあるようだ。  池谷はたくさんある認知バイアスの中から30個を厳選して問題を作り、取りあげられなかったものについても、代表的な183個を巻末で紹介している。これらをすべて読むと、思いあたる項目の多さに驚く。記憶錯誤、自制バイアス、選択盲、対比効果、情報源の混乱……何となく気づいていたものも散見されるが、人それぞれの個性は、どの認知バイアスに影響を受けやすいかによって決まってくるのではとさえ思う。  私を私らしくしている私の「脳のクセ」。それらは多かれ少なかれ誰にもあるものだと知れば、もう少し他人に優しくなれそうだ。
ベストセラー解読
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仮面社畜のススメ
仮面社畜のススメ
大佛次郎論壇賞に決まった今野晴貴『ブラック企業』(文春新書)を読んだ。たまたま若者を使い捨てにするヒドい企業があるというより、ブラック企業が社会の仕組みの一部になってしまっていることに慄然とする。同じ著者の『ブラック企業ビジネス』(朝日新書)では、ブラック企業に極悪な手口を指南する弁護士や社労士などが告発されている。ヒドい、ヒドすぎる。  ブラック企業に入ってしまったらどうするか。選択肢は三つだ。逃げるか、戦うか、死ぬか。どれもめんどくさい。うんざりする。  小玉歩『仮面社畜のススメ』は、こんな時代だから売れている本だ。著者の経歴がおもしろい。キヤノンの関連会社に勤め、優秀社員として表彰されるほどだったが解雇されてしまう。その理由は、ネットを使った副業の収入が一億円を超えたからだそうだ。  「仮面社畜」とは、社畜、つまり会社に飼い慣らされているふりをして、ワガママに生きるサラリーマンのことである。会社に都合よく使われるのではなく、会社を徹底的に利用する。利用するといっても、会社の備品を盗むとか、経費の領収書にゼロを書き加えるといった非合法なことじゃない(まあ、それくらい残業代がわりに、やっちゃってもいいんじゃないかと、個人的には思うけど)。  社畜から仮面社畜に変身するには、マインドを変えろと小玉歩はいう。それも「環境」「裏ワザ」「資源」の三つのマインドを。たとえば「社畜は、怒られたら、すぐに謝る。仮面社畜は、冷静に反論する」とか、「社畜は、喫茶店やマンガ喫茶でサボる。仮面社畜は、家に帰る」とか。  おもしろいアイデア、なるほどなと感心するアイデアもある。でも半分以上は、「デキるサラリーマン」を「仮面社畜」と言い換えただけだ。ブラック企業というのは、こうした一人ひとりの従業員の創造性を潰して、使い捨てることで成り立っている。ブラック企業は仮面社畜を許さない。
ベストセラー解読
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NHK連続テレビ小説 「あまちゃん」完全シナリオ集
NHK連続テレビ小説 「あまちゃん」完全シナリオ集
2013年を代表するドラマとなったNHK連続テレビ小説『あまちゃん』は、視聴率だけで比較すれば、決して突出していたわけではない。前年の『梅ちゃん先生』だけでなく、放映中の『ごちそうさん』の方が上回るかもしれない。しかし『あまちゃん』は、ふだんは朝ドラなど観ない人々を巻きこんだ。  実は私もその一人なのだが、最初から観たのは、宮藤官九郎が脚本を書くと知ったからだった。 『タイガー&ドラゴン』や『木更津キャッツアイ』など傑作ドラマの脚本をものしてきた宮藤の魅力は、よく言われるように“小ネタ”にある。ちょっとしたエピソードやくすっと笑えるコント風のやりとりを積みあげながら物語る作品は、どうしてもマニアックになりがちで、万人受けはしないと評されてきた。その宮藤が、主婦層や高齢者の歓心を得るために女性の一代記といったストーリーが多い朝ドラを担当するのだから、期待しないはずがない。プロデューサーの心意気を讃えつつ観はじめたのだった。  3日目には、私はもう夢中になっていた。いつしか昼と夜の再放送、土曜日の一週間分の連続再放送まで欠かさず観るようになった。  宮藤は、自身の持ち味を消すことなくユーモアたっぷりに祖母と母と娘三代の過去と現在を描き、地方の町おこし、アイドル論、和解、家族、そして東日本大震災などのテーマと向きあった。それは笑いと涙が交錯する群像劇であり、少女の成長記であり、何より希望のメッセージにあふれていた。  小さい物語と大きな物語が複雑に、かつ繊細に交差していくドラマの中心には、いつも主人公のアキがいた。「地味で暗くて向上心も協調性も存在感も個性も華も無いパッとしない」高校2年生のアキが母の故郷を訪ね、祖母に会い、やりたい方へ向かっていく人となっていく『あまちゃん』。その脚本がいかに素晴らしいかは、こうしてわざわざ2分冊の大著となって刊行された事実が証明している。
あまちゃんベストセラー解読
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老人漂流社会
老人漂流社会
長寿を喜べない世の中になってきたとは感じていたけれども、ここまでひどいとは……。 『老人漂流社会』は2013年1月に放送された同名のNHKスペシャルを基にした本である。高齢になった末に行き場を失った老人たちのドキュメントだ。 “漂流”のしかたはさまざま。病院や施設をたらい回しにされる人、三畳一間の無料低額宿泊所(無低)に入る人、ホームレスになる人。“漂流”にいたる事情もさまざまだが、最大の原因は貧困である。  日本の老人はお金持ちで優雅な日々を楽しんでいる、なんて思ったら大間違い。有料老人ホームを終の住処にできるのはごく一握りの恵まれた人だけの話である。  年金があるじゃないか、と思ったら、これが頼りにならない。国民年金と厚生年金合わせて1カ月6万5千円というひとり暮らしの老人が登場する。家賃と公共料金を払うことすら難しい。いまの年金制度は、持ち家で家族と暮らすことを前提としているのだ。65歳以上の高齢者の貧困率が22パーセントというショッキングな数字が出てくる。高齢女性は24.8パーセント。4人に1人が貧困状態だ。  年金で足りない分を生活保護でなんとかするとしても、病気やケガでひとり暮らしが難しくなると困る。特別養護老人ホームは圧倒的に足りなくて数年待ち。サービス付き高齢者向け住宅に入れればラッキーで、簡易宿泊所(通称ドヤ)に入る人もいる。 “漂流”は備えのなかった人、家族に恵まれなかった人が陥る特殊な事態とは限らない。一戸建ての自宅に家族と住んでいた元水道工が登場する。平穏な日々が突如として崩壊する。妻に先立たれ、息子は脳梗塞で倒れる。娘も嫁ぎ先で義理の両親の介護をしつつ、自分自身ががんを患ってしまう。元水道工の老人は、もう誰にも頼れず、行くところもない。「普通に生きてきて、最後、何でこんな人生になったんだろうね……」という老人の呟きが重い。
ベストセラー解読
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「死ぬのが怖い」とはどういうことか
「死ぬのが怖い」とはどういうことか
死ぬのが怖い……死生観などには興味がないという人でも、一度ぐらいは自分の死を想像して恐怖を感じたことがあるだろう。私などは小学生の頃、祖母の死をきっかけに初めて恐怖を覚え、怯(おび)えるうちに二晩つづけて寝小便をしてしまった。それ以降は、死はいつも頭の中にある命題となった。  前野隆司『「死ぬのが怖い」とはどういうことか』は、そんな死の恐怖について全面的に論考を試み、恐怖がなくなる方法にまで言及している。その特徴は、哲学から進化生物学、脳科学、認知心理学、医学、幸福学といった学問分野を横断しつつ主観と客観の両面からアプローチした点にあるだろう。客観的な学問的知見を提示しながら主観的な体験の根拠を解析してみせるため、前野は何度となく思考実験を読者に要求する。読者はその指示に従って仮想し、考え、システムとしての死生学を学んでいく。そして、「死ぬのは怖くない」という結論と向きあうことになる。  そもそも生は幻想で、死を恐れることはフォーカシング・イリュージョン(焦点の幻想)だと前野は言う。寂しさも、悲しさも、死後の永遠の時間も、永遠の愛も、幻想。すべては人間が作りだしたものでしかなく、人間の、つまり〈あなたのいないところに、あなたのための時空の概念はない〉のだから、〈あなたという主観から見たときに、死後の世界などという概念はない。本来は、ない。想像はできても、想像していること自体が誤謬(ごびゅう)なのだ〉と前野は断言する。  死についてもう40年ぐらい考え、関連書を読みあさり、哲学者や僧侶とも対話してきた私は、前野の主張にすんなり同意した。私の主観から見たとき、私の死などないのだ。  異論もあるだろう。しかし、たとえそうであっても、まだ頭がしっかりしているうちに死について考えることは、実際に死が近づいたときに取り乱さずに死んでいける生き方につながる。この本は、そのためのいいテキストである。
ベストセラー解読
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動きすぎてはいけない
動きすぎてはいけない
こんな本が売れているとは! もちろん「こんな」は侮蔑の言葉ではない。「こんなにも難解で厚い」という意味である。  千葉雅也『動きすぎてはいけない』は哲学書である。20世紀後半のフランスで活躍した哲学者、ジル・ドゥルーズが扱われている。著者は1978年生まれの立命館大学大学院准教授。本書は東京大学に提出された博士論文をもとにしたものだ。  難解な哲学書が売れたことは過去にもある。50代以上の人なら、80年代のニューアカ・ブームを覚えているだろう。30年前、浅田彰の『構造と力』がベストセラーになった。98年には東浩紀の『存在論的、郵便的』が話題になった。浅田の15年後に東が、東の15年後に千葉が現れたのである。本書の帯には浅田と東の推薦文が寄せられている。  三者に共通しているのは、フランス現代思想、とりわけ1960年代以降の哲学を研究しつつ、現代日本のわれわれを射程に入れて考察したところだ。哲学史の研究でもないし、海外の哲学者についての研究でもない。あくまでわれわれの「いま」を考える哲学だ。 『動きすぎてはいけない』が売れている最大の理由。それはキャッチーな書名にあるだろう。ドゥルーズの言葉から取られたこの書名は、ドゥルーズの哲学の最も魅力的な部分「生成変化」を損なわないための注意書きである。しかし、これだけを見て「そうだよな、最近のオレ/ワタシは動きすぎだ」と思う人は多いだろう。  「動きすぎてはいけない」には、さらに「つながりすぎてもいけない」とつけ加えたいところ。本書のキーワードのひとつは「非意味的切断」。つながりすぎることで息苦しくなるなら、どんどん断ち切ればいいのだ。  正直いって休日の昼下がりの暇つぶしに読むような本ではない。かなり難解だ。でも、序と第1章、第9章、そしてエピローグを読むだけでも、払ったお金の元は充分に取れる。
ベストセラー解読
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清須会議
清須会議
三谷幸喜による時代小説『清須会議』は昨年6月に刊行された。当時も話題になったが、映画化に先んじて文庫化され、再び部数を伸ばしている。表現分野は何であれ、三谷作品はとにかく人気があるのだ。  その人気は、これまで三谷が手がけた演劇、ドラマ、映画の安定した質の高さ、そして映画のプロモーション時になるとテレビジャックよろしく数多(あまた)のバラエティ番組に登場して見せる奇妙な言動によって培われてきた。頑固で滑稽ながらどこか憎めない人柄は、そのまま彼の作品とそこに登場する人物たちにも通じ、他では味わえない「三谷幸喜らしさ」として支持を集めている。  この「らしさ」を生み出す根底には、いつも三谷ならではの視点がある。今回の小説でも、戦(いくさ)の場面のない、織田信長亡き後の家督継承会議に着眼。史実として、その結果の重要性(秀吉が幼い三法師を担いで天下統一へ向かう)は認めるが、派手さには欠ける五日間を描いている。さらには議事進行役の丹羽長秀を重視し、過去の時代小説ではさほど注目されなかった丹羽の思惑の揺れを通じて、対立する柴田勝家と羽柴秀吉の心理戦を際立たせる。  こうした着眼の奇抜さは書き方にも反映され、登場人物のモノローグや議事録によってストーリーが展開していく。しかも、その文章が橋本治ばりの現代語訳で綴られているため、読者は会議に臨む人々のそれぞれの性格や権謀術策を難なく、苦笑しつつ理解する。そこには人のあらゆる欲と恨みと情が集約されているから、共感や反感が次々と湧いてくる。知人の顔も何人か浮かんできて、ふと、自分だったらどんな判断をするだろうかと考えたりもするだろう。  かくして無理なく「三谷幸喜らしさ」に巻きこまれ、読者は、清須会議に参加した気分すら味わいながら5日目を迎える。そして読了した人の多くが、三谷の術策どおりと知りつつも、映画も観てみたいとつい思う。
ベストセラー解読
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グリード
グリード
今年の9月15日は、リーマン・ショック5周年だった。いや、お祝い事じゃないんだから、こんな言い方は不謹慎か。でも、サブプライム問題と投資銀行、リーマン・ブラザーズの実情は開いた口がふさがらないようなひどいものだった。ようするに、住宅ローンという借金の証文を価値あるものだと錯覚させ、転売に転売を重ねた大がかりな詐欺事件みたいなものだ。あるいは国家予算規模のババ抜き。  真山仁の『グリード』は、リーマン・ショック直前のアメリカ経済界を舞台に描く大スペクタクルである。ダーティーなヒーローは鷲津政彦。そう、これは「ハゲタカ」シリーズの最新作なのだ。  物語は2008年の春から始まる。すでにサブプライムローンのほころびが出始めている。しかし投資銀行、ゴールドバーグ・コールズの幹部たちは、自分たちが首まで肥溜めに漬かっていることに気づいていない。そんななか、米国人の誇りのような巨大企業、アメリカン・ドリーム社は経営が急速に悪化している。  鷲津はアメリカン・ドリーム社の買収を目論むが、「市場の守り神」の異名を取る富豪、サミュエル・ストラスバーグが立ちはだかる。しかも敵は国家権力まで動員して圧力をかけてくる。絶対的に不利な状況を、鷲津はどうやってひっくり返すのか。  カーチェイスや銃撃シーンはないけれど、これは金融界を舞台にしたアクション小説だ。まさに手に汗握る展開。しかも、娯楽を満喫しながら、米国金融界の原理とその腐敗ぶりについてしっかり勉強できる。新聞の経済面の上っ面だけ読んでいたのではわからないことが、ここにはリアルに描かれている。リーマン・ショックって、こういうことだったのか!  これは、欲をかきすぎると罰が当たるぞ、という勧善懲悪の物語などではない。破壊と再生の果てしない繰り返しが資本主義の運命なのだという、冷酷で残酷な叙事詩である。
ベストセラー解読
dot. 11/21
ハードトーク
ハードトーク
インタビューは私にとってラブストーリーだ。それは戦いであり、性行為である。──オリアナ・ファラーチの実に刺激的な言葉を巻頭に掲げた長篇小説『ハードトーク』は、インタビュアーを天職と定めた男の栄光と挫折のキャリアを描きながら展開していく。  あるテレビのインタビューをきっかけに辞職や辞任に追いこまれた政治家を、私たちは何人も知っている。マスコミにすれば、それは大きな手柄となり、インタビュアーは評価される。とはいえ、予定外の言質をとられた側はたまらない。次の選挙で落選して政治生命が絶たれかねないケースもある。  この作品に登場する政治家も、家族づきあいもする男から受けたインタビューをきっかけに大臣を辞任。選挙にも落選し、妻を病気で失う。一方、男は「ハードトーク」なる番組を立ち上げてインタビュアーの仕事に邁進するうちに娘を亡くし、インタビューした相手とのトラブルをいくつも経験。ついには番組を去る。  TBSの「ニュースの森」や「NEWS23 クロス」でキャスターを務めた松原耕二が作者なだけに、舞台となるテレビの報道現場の生々しさは、よく練られた構成とともに作品の大きな魅力となっている。  しかし、それらにも増して興味をひくのは、ここまで男がインタビューに惹きつけられる理由だろう。ファラーチの言説よろしく相手とからみあい、結局、インタビュアーは何を求めるのか。言いかえれば、理想的なインタビューとはどんなものなのか。百戦錬磨のインタビュアーである男も、この問いを作中で考えつづける。その思索に読者も巻きこまれ、人がなぜ話すのかといった根元的な疑問や、自分の中にある〈無意識の扉〉について考えてしまう。  男は終盤、自身の問いに決着をつけ、二十年ぶりに問題の政治家へのインタビューに臨む。その見事な「戦い」と「性行為」に、読者はきっと夢中になるだろう。
ベストセラー解読
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この話題を考える
エマニュエル・トッドが語る

エマニュエル・トッドが語る

【AERA 2025年2月17日号&2月24日号】「アメリカ・ファースト」を掲げるドナルド・トランプ氏が米大統領に再就任しました。就任直後から大統領令を頻発し、高関税を材料に他国とディール(取引)。アメリカ国内ばかりでなく国際情勢も混迷に陥っています。今後、世界や日本はどうなるのでしょうか。家族人類学者のエマニュエル・トッド氏のAERA独占インタビューをお届けします。

トッドが語るトランプ
「仕事×幸せ」の法則

「仕事×幸せ」の法則

【AERA2025年2月17日号(2月10日発売)】 最近、幸せを感じたのはいつですか? お金や地位だけでもなくやりがいだけだけでもない、「客観的Well-being」と「主観的Well-being」のバランスの最適解を探り、自分なりの「幸せの法則」を見つけませんか。

仕事と幸福度
氷河期世代のセカンド就活

氷河期世代のセカンド就活

【AERA dot & AERA2025年2月10日号(2月3日発売)】バブル崩壊後の就職難を経験し、いつの時代も競争にさらされてきた40代半ば~50代半ばの氷河期世代。定年退職後の次なるキャリアを見据えた、いわば「セカンド就活(セカ就)」が迫っています。定年再雇用になると「仕事はそのままで、年収は半分以下」が一定割合を占めるというデータも。今からでも遅くはありません。会社からも社会からも必要とされるキャリアアップをめざす「セカ就」を始めてみましょう。

セカンド就活
黙示録
黙示録
待ってました! 全640ページ2段組、原稿用紙にして1400枚の大長編を一気に読んだ。『黙示録』である。『風車祭(カジマヤー)』や『シャングリ・ラ』などで知られる池上永一の最新作である。近世の沖縄を舞台にした琉球サーガの一冊。大ヒットした『テンペスト』や『トロイメライ』が19世紀の琉球を描いたのに対して、『黙示録』はその少し前、18世紀、尚敬王(しょうけいおう)の時代を描く。  主人公の蘇了泉(そりょうせん)は病気の母と二人で暮らす貧しい少年である。粗暴で礼儀や教養のかけらもないが、王朝の踊奉行、石羅吾(いしらご)に才能を見いだされる。了泉には人びとの目を引きつけずにおかない魅力があるというのだ。舞踊で天下を取れば、贅沢な暮らしもできる、そして何より母の病気を治す薬も手に入る。石羅吾にそそのかされた了泉は舞踊の道に入る。  ライバルの雲胡(くもこ)との争いや、繰り返される挫折と再起など、ページをめくる手を休ませない。永久に走り続けるジェットコースターに乗っている気分だ。すばらしいのは、了泉がちっとも良い子でないところである。了泉は成功のためなら手段を選ばない。いつだって平気で手を汚す。そしてその欲が回りまわって、自分の首を絞めることになる。挫折と再起を繰り返しながら、了泉は人間的にも成長していく。内面の成長が彼の舞を深めていく。  当時の琉球は「日本」ではなかった。清時代の中国とも、江戸幕府ともつきあう、独立した王朝をもっていた。この小説では、薩摩や江戸幕府との関係、清王朝との関係が、とても具体的に書かれている。強い国(日本)ともっと強い国(清国)に挟まれて、小さな琉球は舞踊や工芸品など文化の力でその独自性を発揮していた。「尖閣諸島が日本固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も疑いのないところ」と外務省はいうけれども、領土問題は琉球の歴史という観点からもよく考える必要がある。そして、アメリカの基地だらけの現代の沖縄についても。
ベストセラー解読
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流星ひとつ
流星ひとつ
どうして? 藤圭子の引退報道にふれて浮かんだ素直な問いをきっかけに、沢木耕太郎は藤本人に直接連絡をとり、1979年秋、ホテルニューオータニの夜景が見えるバーでインタビューを試みた。  当時、藤は28歳。『圭子の夢は夜ひらく』などのヒット曲で一世を風靡したものの、その勢いははっきりと下降していた。一方の沢木は31歳。『テロルの決算』が高く評価され、次作の『一瞬の夏』を執筆中だった。  ノンフィクションの「方法」にこだわっていたその頃の沢木は、インタビューの内容を会話体だけで表し、叙述や描写といった地の文をいっさい加えずに構成した。実際に読み進めていくと、ウォッカ・トニックを飲みながら会話をつづける二人の姿がちらちらと眼前に浮かんでくる。最初は「インタヴューなんて馬鹿ばかしいだけ」と言い放っていた藤が、火酒と沢木の巧みな問いかけに導かれて多弁になっていくあたりでは、まるで自分がバーカウンターの中に隠れて盗聴しているような気分になった。  藤は杯が進むにしたがって、時に躊躇しつつも子ども時代の貧困、父親の暴力、デビューまでの経緯、前川清との結婚と離婚、両親の離婚などの内実を赤裸々に語り、ついには引退の理由も明言した上で、その後の計画まで口にする。首尾よく取材を終えた沢木は予定どおり会話体だけの原稿にまとめるのだが、雑誌掲載を目前にして作品を封印してしまう。ひょっとして藤が復帰しようとしたとき、引退の決意や周囲への評価を声高に語る内容が足枷(かせ)になるかもしれないと懸念した結果の決断だった。  こうして幻となった『流星ひとつ』は、藤の自殺が精神を病んだ末の死として語られることに胸を痛めた沢木自身によって解禁され、緊急出版となった。火酒のごとく「透明な烈(はげ)しさが清潔に匂」う28歳の藤の精神を、宇多田ヒカルが読んでくれればと沢木は願っている。
ベストセラー解読
dot. 10/31
街場の憂国論
街場の憂国論
書店観察が好きなぼくにとって、晶文社の本はひとつの指標だった。晶文社の本がどう置かれているかで、書店の性格がわかる。しかしこのところ晶文社の元気がなかった。冬眠とまではいわないが、昼寝している感じ。それが最近、目を覚ました。「犀の教室」なんていう、晶文社らしいシリーズも始まった。  第一弾、鷲田清一『パラレルな知性』とともに刊行されたのが内田樹『街場の憂国論』だ。他の多くのウチダ本と同じく、著者がブログはじめあちこちに書いた文章を編集者が集めて一冊にした。内田センセ、国を憂えておられるのである。  内田樹はなぜ人気があるのか。その理由は、まえがきに書いてある。いや、「だからオレは人気がある」とは書いてないけど。  内田はあるときから「他の人があまり言わないこと」だけを書くようになったという。その理由のひとつは仕事を減らすため。原稿を読んだデスク(編集部の現場監督)が拒絶するような原稿を書けば仕事が減るだろうと考えた。ところが意に反して原稿は好意的に受け止められ、センセますます商売繁盛。  どうしてそんなことが?  「他の人があまり言わないこと」を書くと、意外にもリーダー・フレンドリーになるのでは、と内田は推測している。聞いたこともないような意見を伝えるためには、ちゃんとわかりやすく説明しなければならない。しかも最後まで聞いてもらうためには、そのための工夫も必要だ。  対極にあるのがネットの匿名発言だ。誰でも言いそうなことを(下品な言葉遣いで)書き飛ばしているのだけど、凡庸なので発言者は誰とでも交換可能だ。  本書の中に、情報の格差について述べている部分がある。情報リテラシーとは、情報についての情報を把握できること。持っている情報と持っていない情報について判断できること。ないものについて思いを巡らせることだ。
ベストセラー解読
dot. 10/23
どうして人はキスをしたくなるんだろう?
どうして人はキスをしたくなるんだろう?
全国各地のご当地キャラクターを総称した「ゆるキャラ」や「マイブーム」といった流行語を生みだす一方で、「仏像」や「童貞」など数々のブームを仕掛けてきた漫画家、みうらじゅん。55歳。  NHKの連続テレビ小説『あまちゃん』や映画『謝罪の王様』などの脚本家であり、俳優、映画監督、ミュージシャンとしても活躍する宮藤官九郎。43歳。  この異才あふれる中年の二人が「週刊プレイボーイ」誌上でくり返してきた対談をまとめた一冊。そこで話題となるのは、タイトルにもあるような、正解にたどりつけるのか疑わしい、そもそも正解があるのかさえ判然としないものばかり。  たとえば。  許される嘘とはどんなものか?偉い大人ってどんな大人だろう?童貞を喪失すると何が変わってしまうんだろう? どうして人は遅刻をしてしまうんだろう? 趣味が大事なのはどうしてだろう?  男と女、人生、仕事と遊び。三部に分けられた個々の疑問について二人は、それぞれの体験を披瀝しながら真面目に、いつも下ネタをからめて語りあう。大人になればわかると、かつて大人たちに言いくるめられた素朴な問いに、それぞれ娘をもつ父親になった二人があらためて向きあい、検証し、仮説を導く。  とはいえ、それらが正しいのかどうか、二人にも自信はない。論点のズレもある。この本は、体育会系の覇気もなく、不良にも優等生にもなれず〈いい歳こいて青春ノイローゼを引きずって〉チンコ至上主義から脱せないでいる中年男の、正解のでない対談集なのだ。  若いころの疑問は、それが下世話であれ高尚であれ、一生をかけて考え、自分なりに解答を探していくものなのだろう。どんなに歳を重ねても、だらだらと真剣に自分の問いに向きあい、時に気のあう友人とその内容を語りあう。そこに流れる時間がいかに楽しいか、この本を通読すればよくわかる。
ベストセラー解読
dot. 10/17
恋しくて
恋しくて
海外文学の本はあまり売れない。ハリー・ポッター・シリーズのようなメガヒットもあるが、それはごくまれな例外だ。  アンソロジーというのもあまり売れない。いろんな人の作品が入っているのがだめなんだろうか。幕の内弁当が好きなくせに。  だから海外文学の短編アンソロジーというのは二重苦なのである。ところがそのハンデを吹っ飛ばして売れてしまうのは、編訳者が村上春樹だからだろうか。それとも竹久夢二「黒船屋」の一部分を使ったカバーが素晴らしいからか(装幀は田中久子)。 『恋しくて』の話である。  村上春樹が選んで翻訳した短編小説が9つと、村上自身の書き下ろしが1つ。合わせて10の短編小説が入っている。共通するテーマは恋愛だ。  スターを夢見る若い女性と音楽家を目指す青年が結婚式の代理人をつとめる「愛し合う二人に代わって」(マイリー・メロイ)。ゲイのカップルであるツェッペリン飛行船の乗組員を描いた「恋と水素」(ジム・シェパード)。49歳の弁護士と33歳の公認会計士の不倫の顛末「モントリオールの恋人」(リチャード・フォード)。ぼくが特に気に入ったのはこの3つだけど、他の7編もすばらしい。以前に出た『バースデイ・ストーリーズ』やレイモンド・カーヴァーの短編集でも感じたように、村上は編者としてもセンスがいい。  小説であれ漫画であれ映画であれ、フィクションとしての恋愛は読む者・観る者をニヤつかせるところがある。少年のころの、まだ恋愛に夢と希望を抱いていた日々に戻らせる効果があるようだ。こういうのを本当の「回春」っていうんじゃないのかな。  最近の週刊誌では中高年向けの性愛特集が多く、その内容もかなり濃厚だ(むしろグロテスクといいたいほど)。しかし、具体的かつ肉体的な技術の話なんかよりも、上等な恋愛小説を読むほうが、はるかにエロチックな行為だと思う。
ベストセラー解読村上春樹
dot. 10/10
日本の起源
日本の起源
いつから私たちは「こんな国、こんな社会」に生きているのだろう。どうしてそれは変わらないんだろう……。『中国化する日本』で注目された與那覇(よなは)潤は、そんな問いを抱えて歴史学の先輩である東島誠を訪ね、語りあった。  時代区分は、古代、中世、近世、近代、戦前、戦後の六つ。こんな日本の起源の歴史を探っていく二人の対話は、数多い新旧の学説を参考にしつつ自在に展開する。それだけでも専門家の知見の幅に感嘆するが、そこから導き出される内容にはさらに驚かされた。
ベストセラー解読
dot. 10/2
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