書評『青い春を数えて』武田綾乃著 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

青い春を数えて 武田綾乃著

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三宅香帆書評#話題の新刊

青い春を数えて

武田 綾乃

978-4065122105
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 高校の吹奏楽部を舞台にした小説『響け!ユーフォニアム』シリーズがテレビアニメ化された著者の最新作。5人の女子高生をそれぞれ主人公とする短編連作集だ。

「側転と三夏」では、愛嬌のある姉を持った器用貧乏な主人公の、「自分は主役になれない」という悩みが鮮やかに綴られる。「漠然と五体」では、学校をずる休みした優等生の主人公が、一度も言葉を交わしたことがない、不良少女と噂される同級生と電車で遠出し、海辺の駅で降りる。真冬の砂浜に座り、夕焼けを見ながら胸の内を明かす──。

 将来の夢や理想と現実の間で揺れる女子高生たちの、キラキラした青春というよりも、ざらりとした痛みが描かれている。大人になってから青春時代を振り返り、あの頃を思い出したい時に、おすすめしたい一冊だ。

週刊朝日  2018年11月30日号


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