書評『昆虫はすごい』丸山宗利著 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

昆虫はすごい 丸山宗利著

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谷本束書評#話題の新刊

昆虫はすごい

丸山宗利著

978-4334038137
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 4億年前、地球上に誕生した昆虫は現在知られているだけで100万種以上、なんと全生物の半数以上を占める。形も生態も気が遠くなるほど多様な進化をとげていて、今日びヒトがやっていることはおおかた昆虫が先にやっているという。収穫する、真似る、恋する、旅をする。農耕牧畜、戦争から同性愛に詐欺にいたるまで、彼らの驚くべき生態を人間の生活に重ねて楽しく紹介している。
 自分の遺伝子を残すことが唯一にして最大の目的であるゆえに、“恋愛”にかかわることはもうあの手この手。「婚姻贈呈」は交尾するために雌に獲物をプレゼントすることだが、オドリバエの中には糸で外側の包装だけ作って中はカラ、というヤツがいる。結婚詐欺か。
 小型のアゲハチョウの一種は、交尾がすむと雄が雌の生殖器に粘液をかけて蓋をする。つまり貞操帯をしちゃうのだ。なんともはや。
 縄張り争いで自爆テロをやらかすアリまでいて、その名もバクダンオオアリ。私たちのすぐそばに、こんなに奇妙奇天烈でミラクルな世界があるとは。これを知らずにいるのはまことにもってもったいない。

週刊朝日 2014年11月21日号


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