書評『植物はそこまで知っている』ダニエル・チャモヴィッツ著/矢野真千子訳 |AERA dot. (アエラドット)
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《話題の新刊 (週刊朝日)》

植物はそこまで知っている ダニエル・チャモヴィッツ著/矢野真千子訳

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谷本束#話題の新刊

植物はそこまで知っている

ダニエル・チャモヴィッツ著/矢野真千子訳

978-4309252803
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 植物に感覚なんかないでしょと思っていたら、どうもそうではないらしい。植物は周りを「見て」いるし匂いさえ「嗅いで」いる。驚きの感覚世界を解き明かす最新の植物学。
 意外なことに植物はちゃんと光受容体をもっている。青い光を感知するとそちらに体を曲げる仕組みになっていて、日の当たる方向に迷わず伸びていく理由がこれ。時期を違えず花を咲かせるのも「見る」からだ。夜間に夜明けの光に相当する赤い光をとらえることで夜の長さを測り、正しい開花時期を知る。つまり色も識別していることになる。
 驚くべきは「記憶する」能力。食虫植物のハエトリグサは、獲物が葉の内側の毛の一本目に触れたときは動かず、二本目で葉を閉じる。一本目に触れたという情報を、二本目に触れるまで保持するシステムをもっているのだ。
 進化論のダーウィンは優れた植物学者としても有名で、彼を始めとする植物学者たちが実験で五感のメカニズムを解き明かしていく過程がエキサイティング。植物のおよそ「植物らしからぬ」アクティブな生活に、脳みそが引っこ抜かれるような衝撃。

週刊朝日 2013年7月12日号


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