おいしい話に、のってみた

話題の新刊

2012/11/21 16:23

 キャッチセールスの現場に潜入するなどのルポを手がけてきた著者の新作。規制強化で路上でのキャッチは下火だが、雑誌の広告やインターネット上には「楽して一日5万円稼げます」など甘い誘い文句が無数に並ぶ。著者自ら片っ端から試したのが本書。
 消費者の嗜好の多様化から、現代の「おいしい話」も多岐にわたる。競馬の投資情報、幸運を呼ぶブレスレットなどの古典的な商品から、激安商品のネットオークション、フェイスブック上で有名人と知り合えるサービスまで。カネを払わせる手口は異なるが、問題商法の業者が購入希望者の経済状況を根掘り葉掘り聞きながら、懐事情に合わせて商品をすすめる点は共通する。不況下の今は、業者も金持ちだけをカモにしていては儲けられず、食いついた客に必死に営業しないと「おいしくない」時代なのだ。
 業者と著者とのかみ合わないやり取りも読みどころ。構成次第では抱腹絶倒の展開に持ち込めるのではと思える場面も少なくないが、あくまでも問題商法の実態究明に真摯に取り組む著者に敬服。

週刊朝日 2012年11月30日号

おいしい話に、のってみた

多田文明著

amazon
おいしい話に、のってみた

あわせて読みたい

  • イグノーベル賞受賞の著者による抱腹絶倒のサイエンス・ドキュメント

    イグノーベル賞受賞の著者による抱腹絶倒のサイエンス・ドキュメント

    BOOKSTAND

    12/8

    上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白

    上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白

    週刊朝日

    4/11

  • 7月2日は「うどんの日」......主人公がうどん?予想のナナメ上をいく、斬新絵本

    7月2日は「うどんの日」......主人公がうどん?予想のナナメ上をいく、斬新絵本

    BOOKSTAND

    7/2

    コラムニストは「度胸で勝負の大道芸人」? 今「専門家」ではなく在野から投じられる一石

    コラムニストは「度胸で勝負の大道芸人」? 今「専門家」ではなく在野から投じられる一石

    AERA

    6/14

  • 子どもの事故賠償で「破産」のリスク 数百円で軽減可能

    子どもの事故賠償で「破産」のリスク 数百円で軽減可能

    AERA

    7/30

この人と一緒に考える

コラムをすべて見る

コメント

カテゴリから探す