中山氏から「惜敗率」で名指しされた大西氏は、AERAdot.の取材に、

「党本部がこういう調査をしていることすら知らなかった。自分の活動などが評価されたのはありがたい。ただ、中山氏はじめみんな一緒に大阪でやってきた仲間で、正直、言葉が見つからない」

 と複雑な胸中を明かした。

 自民党の政務調査役として長く務めた政治評論家の田村重信さんは、

「現職優先で“なんとなく”支部長を決めてきた自民党がこんな一気に変えるなんて、過去になかったと思います。茂木幹事長の危機感のあらわれで、時間をかけると情報がもれるので極秘裏に一気にやったのでしょう。ただやるなら、維新と同様に予備選を行うとか、全部の選挙区で見直すとか、さらなる英断を下すべきだった。逆に派閥対立をあおるようにもなりかねず、自民党の支持率にも影響しかねない」

 との見方を示した。

 さて、自民党が取った公募という異例の策。はたして維新に対抗できるのだろうか。

(AERA dot.編集部 今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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