御料牧場を散策する天皇、皇后両陛下と長女愛子さま=4月、栃木県
御料牧場を散策する天皇、皇后両陛下と長女愛子さま=4月、栃木県

 雅子さまの体調について、昨年末に医師団は「ご体調には波があり、大きい行事のあとなどにはお疲れが残り、ご体調が優れないこともある」としている。その中でも天皇陛下の支えのもと、務めを果たしているご様子だ。

 さらに6月は、天皇陛下と雅子さまにとって繁忙期に入る。

 まず6月3日から1泊2日で岩手県を訪問。植樹祭に出席するほか、奇跡の一本松や東日本大震災津波伝承館、復興商店街の「キャッセン大船渡」など、東日本大震災の関連施設を訪れて、地元の人々と交流する予定だ。

 さらに6月下旬には、インドネシアへの公式訪問が調整されている。今年は日本とASEANの友好協力50周年の節目の年であり、インドネシアがASEANの議長国を務めている。

 元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さんによると、平成の時代では一部の例外を除き、通常の国際親善のための外国訪問は4か月ほど前に閣議決定されていたという。

 雅子さまも同行する方向で調整しているインドネシア訪問が6月下旬であれば、あと1か月ほどしかないが、閣議決定には至っていない。

「皇后陛下がご一緒されるとしても、ご視察先などを含めた全行程ではなく、歓迎行事、晩さんなど国賓接遇のセットメニューと一部の行事等にお出ましになる程度ではないかと思っています」(山下さん)

■6月にはご結婚30周年

 そして6月9日には、両陛下ご結婚30年の節目を迎える。

 ご結婚25年の際は、東宮御所で三権の長らを招いた祝賀行事が催されたが、ほかは身内の行事とご結婚を振り返っての感想が文書で公表された。ごく簡素なものだった。

 今回はどうなのか。直近の予定との兼ね合いも考慮し、三権の長のあいさつや祝賀行事は行わない可能性が高いようだ。

 まだまだご体調に波はあるものの、天皇陛下と雅子さまの笑顔が国民に届く機会が増えてきたのは確か。両陛下による令和流が、すこしずつ色を見せ始めているようだ。

(AERA dot.編集部・永井貴子)