春は、どの学年の受験生も新たな挑戦に向かう時期。頑張る子どもたちのSOSに気づいたら、早めのサポートを。スランプの適切な対処法について、プロ家庭教師の安浪京子先生に聞きました。発売中の「AERA with Kids 2023年春号」(朝日新聞出版)から一部抜粋してお届けします。

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 勉強のストレスや、成績の伸び悩みなど、中学受験を目指す子たちは、日々プレッシャーを抱えています。特に新学年に上がる春は、勉強の量が増え質もぐんと高まる時期。負荷がかかりすぎて勉強自体が嫌にならないよう、早めにSOSに気づき、対策をとることが大切です。

 ただ、家庭教師として接していると、子どもたちからのSOSは、一見わかりづらい形で表れることが度々あると感じます。

「うちの子は大丈夫」と過信せず、小さなサインを見過ごさないよう注意しましょう「いつもと違うな」と思うことがあれば、どうかよくよく話を聞いてあげてくださいね。

 親子共々、家族一丸となって受験生の日々を乗り切れるよう、今回は、学年ごとによく見られがちなSOSと、その対処法についてお話ししていきます。

■勉強編

SOS1)新4年生になり塾に行きたくないと言い出した

アドバイス)「塾は楽しい場所」と思えるような声かけを

 春になり新カリキュラムが始まると、どの学年でも「塾に行きたくない」という子は出てきます。特に多いのが新4年生。

 最近は受験勉強が早期化して低学年から塾に通う子も増えたものの、本格化するのは、やはり4年生から。急に勉強量も難しさも増し、「こんなに勉強しなくちゃいけないとは思わなかった!」と嫌気がさすのです。

 逆に親は「いよいよ4年生」と肩の力が入って、ますます子どもにプレッシャーを与えてしまうことも……。

 4年生のうちはとにかく学習習慣をつけ、勉強が楽しいと思ってもらうことが大切です。

「塾に通っているだけで偉いよ」とどんどん褒めて、「先生の下の名前は?」「おもしろいことあった?」など、勉強以外のところからも「塾の楽しさ」を見つけてあげてくださいね。

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玉居子泰子
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