小学生の姉妹を持つ40代の父親。娘たちの夏休みの宿題に手出ししすぎる妻に対して、「宿題は子ども自身ですべきだ」と辟易しています。「論語パパ」こと中国文献学者の山口謠司先生が、「論語」から格言を選んで現代の親の悩みに答える本連載。「子どものためにならない今の風潮を止めたい」という父親へのアドバイスはいかに。
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【論語パパが選んだ言葉は?】
・「父は子の為に隠し、子は父の為に隠す。直(なお)きこと其(そ)の中(うち)に在(あ)り」(子路第十三)
・「学びて思わざれば、則(すなわ)ち罔(くら)し。思いて学ばざれば、則ち殆(あやう)し」(為政第二)
【現代語訳】
・「父親は子どもをかばってやろうとするし、子どもは父親をかばおうとする。真の正義は、おのずから、そのかばい合う中に存在する」
・「人や本から学ぶだけで、自分で考え悩むことがなければ、混乱をきたすばかりである。限られた自分の知識で思索するばかりでは、考えが偏って独断に陥り、確固たるものはつかむことができない」
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山口謠司(やまぐち・ようじ)/文献学者・中国学者。大東文化大学教授。1963年、長崎県生まれ。同大学大学院、英ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現職。NHK番組「チコちゃんに叱られる!」やラジオ番組での簡潔かつユーモラスな解説が人気を集める。2017年、著書『日本語を作った男 上田万年とその時代』で第29回和辻哲郎文化賞。『ステップアップ0歳音読』(さくら舎)『眠れなくなるほど面白い 図解論語』(日本文芸社)など著書多数。母親向けの論語講座も開催。フランス人の妻と、大学生の息子の3人家族
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