夏休みの大型宿題・読書感想文。休みの終盤になって焦らないよう、親はどんな伴走をしてあげたらよいでしょうか。文章コンサルタントの松嶋有香さんは、子どもが興味を持ったシーンについて、あふれる言葉や思いをメモしながら文章を作る「インタビュー」の手法をおすすめします。現在発売中の「AERA with Kids 2022年夏号」(朝日新聞出版)から一部抜粋して紹介します。

MENU STEP1)計画を立て、本を選ぶ STEP2)心が動いた文やシーンにふせんをつけながら読む STEP3)ふせんをつけたところについてインタビューをする

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 夏休み、なんとなく重い存在感を放つ読書感想文の宿題。本を与えてもなかなか読み進められず、子どもから「書き方が分からない」と言われ、保護者自身どう取り組ませればいいのか見当もつかない。どうにかしたくてもなかなかうまくいかない宿題ナンバーワンではないでしょうか。

「おそらくどのご家庭も『マス目を埋めなければ呪縛』が大きく、何をすることが読書感想文なのか、見えていないのだと思います。学校でも指導を受けるのは高学年。手探り状態でこの宿題をするのは大変です」

 こう話すのは、毎年多くの親子に読書感想文セミナーを多数開催している、文章コンサルタントの松嶋有香先生です。松嶋先生によると、読書感想文とは「本をきっかけに自分と向き合う経験をする大切な機会」とのこと。

「自分と向き合うとは、自分の考えを持つこと。自分の気持ちがなぜ動いたのか、どう感じたのか、自分の言葉や感覚で伝えたいことを具体的に表現する経験です。その手段としてたまたま原稿用紙に書き留めるということなんです」

 特に、書くことのハードルの高い小学生時代は「インタビューをして子どもの気持ちを聞き出しながら文章をふくらませるほうが断然やりやすい」と松嶋先生。

「会話しながら進めると多くの言葉が生まれます。『この子はここをそう感じたんだ。もっと掘り下げて聞いてみよう』という箇所をさらに聞いていく。すると文章が少しずつ肉付けされ、臨場感あふれる文章になっていくのです。インタビューが終わるころには何を書くかはほぼ固まっている状態になりますよ」

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AERA with Kids編集部
AERA with Kids編集部

NEXT大切なのは、子どもと同じ目線で話すこと
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