日本維新の会の臨時党大会で続投が決まった松井一郎代表(左)。吉村洋文・副代表
日本維新の会の臨時党大会で続投が決まった松井一郎代表(左)。吉村洋文・副代表

 日本維新の会は11月27日の臨時党大会で、国会議員や地方議員ら特別党員による投票により代表選を実施せず、松井一郎代表(大阪市長)を再任することを決めたが、波紋を呼んでいる。

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 昨年11月、維新が推進していた大阪都構想が2度目の住民投票で否決されたことを受け、松井氏は大阪市長の任期が切れる2023年4月に政界引退を明言。日本維新の会代表職も2022年1月の任期満了時に退く意向を示していた。

 松井氏は41議席を獲得した衆院選の投開票日の会見で「代表選はすべきだ」と語っていたが、臨時党大会ではまったく逆の結論となった。日本維新の会の国会議員は話す。

「臨時党大会直前まで、代表選をやるかやらないか、いろいろな意見がありました。大阪選出の国会議員や大阪維新の会の地方議員は松井氏の続投を望み、大阪以外の国会議員らは代表選実施の意向が強く、衝突もありました。ツイートなどSNSで激しい応酬もあり、維新が分裂と騒がれたりもした。衆院選で躍進したので、実際は国政政党としては、大阪から全国区への足掛かりにするため、代表選をやるべきとの意見が強かった」

 維新の足立康史衆院議員は<代表選、やりましょう! 日本のため、未来のために!!><松井、吉村、馬場各氏が立候補しないのであれば、私が立候補します>とツイート。

 音喜多駿参院議員も<私は今なお松井代表もしくは吉村副代表が出馬されての代表選を熱望しています。いずれにしても選挙が行われる場合、大阪以外からも候補が出るべき。(中略)柳ヶ瀬さん(参院議員)が立候補しない場合、東京からは私が手を上げます>と発信し、代表選出馬に意欲的だとみられていた。

 また、党内からは馬場伸幸幹事長ら衆院議員を推す声もあがっていた。

 大阪府知事で日本維新の吉村洋文副代表は、衆院選投開票日の記者会見から一貫して「代表選には不出馬」と述べていた。

 馬場氏も「自分は野球で言えば、8番キャッチャーのタイプですので考えていない」と代表選出馬には否定的だった。

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松井氏、橋下氏、吉村氏は「神聖不可侵な存在」