選挙前から地元では仁木氏の評価が高かったという。
「選挙になれば、自分は勝てると変な自信が後藤田氏にはあったようだ。選挙が始まるとこれまでのスキャンダルがボディブローのように効き、『後藤田が国政にいくとまたスキャンダルを起こすんじゃない』と心配する有権者もいた。後藤田陣営が劣勢になっていると気付いた時は、仁木氏が突っ走って姿がもう見えなくなっていた」(同前)
勝った仁木氏はこれまで旧民主党系から出馬していたが、今回はあえて無所属を選んだ。
「政党に縛られず、無所属なら言いたいことが言えた。やっと後藤田氏に勝てたのはそういう捨て身の戦いが良かったのかと思う」と勝因を語った。
自民党で20年以上、政務調査会の調査役を務めた政治評論家の田村重信さんはこう話す。
「今年の流行語に『親ガチャ』という言葉がある。石原氏、平井氏、後藤田氏ら大物は2世、3世で世襲議員です。自民党も選挙が楽だからと世襲を出馬させるが、彼らは地元の空気がなかなか読めない。コロナ禍にあってみな厳しい状況にある中、自民党が世論を読めていなかったと感じます」
(AERAdot.編集部 今西憲之)