卓球女子団体の決勝に出場する伊藤美誠(C)朝日新聞社
卓球女子団体の決勝に出場する伊藤美誠(C)朝日新聞社

「史上最強」の呼び声高い卓球女子日本代表が、今日5日に団体戦で3連覇中の中国と対戦する。同種目で日本は12年のロンドン五輪で銀メダル、16年のリオデジャネイロ五輪で銅メダルを獲得。悲願の金メダル獲得に向け、エースの伊藤美誠、キャプテンの石川佳純、潜在能力はピカイチの平野美宇とタレントはそろっている。

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 決勝戦までは危なげない戦いぶりが続いた。準決勝の香港を3―0で圧倒。ダブルスで石川、平野組が蘇慧音、李皓晴組に3―0でストレート勝ち。シングルスは伊藤が杜凱琴を3―1、平野が李を3―0と快勝した。

「間違いなく日本は強い。銀メダルを獲得したロンドン五輪と比べても、現在の3人のほうが力は上だと思います。シングルスの準々決勝で敗退した石川の精神状態は心配でしたが、団体戦できっちり気持ちを切り替えて動きのキレも取り戻している。さすがキャプテンですね。ただ、中国はそれ以上に強い。シングルス金メダルの陳夢、準決勝で伊藤を撃破した銀メダルの孫穎莎、そして、劉詩ブンと交代で入った王曼昱も世界ランク4位の実力者です。日本はダブルスで勝たなければ、金メダルは厳しい。ダブルスの勝敗がポイントになると思います」(スポーツ紙記者)

 白熱した戦いが予想される一方、今大会で問題になっているのが選手に向けられたSNS上での誹謗中傷だ。伊藤が水谷隼とペアを組んだ卓球混合ダブルスで日本卓球界初の金メダルを獲得すると、水谷と伊藤のSNSに見るに耐えない中国語の暴言や中傷する文言が大量に書き込まれた。この状況に怒りを覚えた日本のネットユーザーが、中国の品格を侮蔑するような書き込みをする事態に。中国サイドで関係者と名乗る人間たちが卓球の試合会場に現れ、コロナ禍で禁じられている大声での声援を送ったことも問題視された。

「ピリピリした雰囲気が漂っていますが、伊藤と孫が同世代で仲が良いように、日本と中国の卓球界はお互いに尊敬の念を持ち、良好な関係です。選手やコーチたちは相手国の選手を誹謗中傷することを望んでいないでしょう。力を出し尽くしてどちらが金メダルを獲得してもお互いをたたえ合うような雰囲気になってほしいです」(前出のスポーツ紙記者)

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