うつ告白の大坂なおみを取り巻く商業化が過ぎたテニスの弊害 「心の弱さではない」為末大   (1/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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うつ告白の大坂なおみを取り巻く商業化が過ぎたテニスの弊害 「心の弱さではない」為末大  

大坂なおみ選手(c)朝日新聞社

大坂なおみ選手(c)朝日新聞社

為末大さん(撮影/写真部・片山菜緒子)

為末大さん(撮影/写真部・片山菜緒子)

 うつの症状に悩まされていたことを明かした大坂なおみ選手(日清食品)。テニスの4大大会である全仏オープン選手権を5月31日に大会を破棄した。その直前に記者会見を拒否して罰金が科され、プロとしての振る舞いに波紋が広がっていた。陸上男子400メートル障害の世界選手権銅メダリストでオリンピックに3度出場した為末大さん(43)は、今回の件について「スポーツ界にとって大坂選手が社会に投げかけたものは大きい」と話す。大坂選手の置かれた立場や心境を理解するために、トップアスリートのメンタルヘルスとスポーツビジネスの仕組みについて聞いた。

【写真】「僕が現役だったころより何倍も心の負担が大きい」
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「大坂なおみ選手の決断は、スポーツ界にとっても、彼女自身にとってもよかったと思っています」

 開口一番、為末さんはそう言った。

 大坂選手は自身のSNSで、2018年の全米オープン後からうつ症状に悩まされていたことを公表。世界ランキング2位で、活躍が期待されていただけに、突然の告白を心配する声が上がっている。

 為末さんによると、今回の件で注目すべきことは二つあるという。まずは、競技を続けるためには「休養」が必要だということ。ケガや病気といった身体の不調はもちろん、心が不調のときも休みが必要なのだと社会に知らしめてくれたのだ。次に、会見拒否についてさまざまな反応があったことが示すのは、「アスリートにとって仕事の中核は何か」(為末さん)という課題だ。スポーツビジネスのあり方をあらためて、ファンや社会は考えさせられた。

 世界ランク2位の、しかも現役で活躍する大坂選手のだからこそ、「メンタルを理由に棄権する」という決断は大きな意味があったという。

「スポーツ界において、彼女のレベルまで到達していない選手が心の不安を告白すると、日本においては『君の弱さだ』と言われることが多かった。大坂選手のおかげで、選手たちが精神の不調を言いやすくなったと思います。ケガや故障だけではなく、メンタルも休む理由になると」


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