震災から10年 道の駅『大谷海岸』が復活! 気仙沼のマンボウに掛けた想い (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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震災から10年 道の駅『大谷海岸』が復活! 気仙沼のマンボウに掛けた想い

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バーチャルアクアリウムコーナーに投影するプロジェクションマッピングのウシマンボウの試運転。2021年3月12日撮影(C)澤井悦郎

バーチャルアクアリウムコーナーに投影するプロジェクションマッピングのウシマンボウの試運転。2021年3月12日撮影(C)澤井悦郎

再建中の道の駅『大谷海岸』。左端らへんに見える灰色の半円形は閉ざされたJR気仙沼線のトンネル。2021年3月12日撮影(C)澤井悦郎

再建中の道の駅『大谷海岸』。左端らへんに見える灰色の半円形は閉ざされたJR気仙沼線のトンネル。2021年3月12日撮影(C)澤井悦郎

道の駅『大谷海岸』のあちこちで見られるマンボウのイラスト。本吉町時代から変わらないデザイン。2021年3月12日撮影(C)澤井悦郎

道の駅『大谷海岸』のあちこちで見られるマンボウのイラスト。本吉町時代から変わらないデザイン。2021年3月12日撮影(C)澤井悦郎

 2020年8月。宮城県気仙沼市から私に電子メールが届いた。市から私個人に? 何だろうと気になってメールを開けてみると……「道の駅『大谷海岸』をリニューアルオープンするにあたり、地域の象徴たるマンボウを主役とした複数の魚種が登場する、高精細CGをプロジェクターで壁に投影したコーナーを施設内に作る予定で、マンボウに関する知識や映像を監修して欲しい」という依頼だった。

【写真】ギネス認定された「世界最重量硬骨魚」

 3Dモデリングで、可能な限りリアルに近いマンボウの動きを再現するとの話で、ものすごく興味をそそられた。マンボウの動きに関しては、ちょうど2019年に発売した2冊目の著書『マンボウは上を向いてねむるのか』に詳しく書いたばかりだった。3Dモデリングは凸版印刷株式会社が中心となって作業を進めるとのことで、私は初めてマンボウに関する仕事で、町おこしの大きなプロジェクトに参加することになった。

■道の駅『大谷海岸』とは?

 道の駅『大谷海岸』は、JR気仙沼線・大谷海岸駅(日本一海水浴場に近い駅と称されていた無人駅)に併設された施設で、はまなすステーションとの愛称で呼ばれていた。屋上には展望台、二階にはレストランがあり、二階から歩道橋を渡って海岸に行くことができた。一階には売店とマンボウホールがあり、地元の定置網で漁獲されたマンボウが水槽で飼育展示されていた。また、同じ敷地内には農林水産物直売センターもあった。

 しかし、海から近かったため、2011年3月11日に起きた東日本大震災の大津波により、はまなすステーションは二階を超える大津波が来て全壊、2012年に建物は解体された。農林水産物直売センターのみを震災後すぐに被災した場所に仮復旧し、営業を再開した。直売センターは2019年に防潮堤の新設と国道45号のかさ上げのため、国道を一本はさんだ内陸に移転し、しばらく仮店舗で運営された。この間に、道の駅全体を復旧整備する方向で計画が進められた。そして、直売センターのみではなく、はまなすステーションの機能も復旧させた新たな道の駅『大谷海岸』が2021年3月28日にリニューアルオープン。震災から10年の時を経てようやく復活したのだ。

 大谷海岸駅を含む近隣の駅は線路の一部を大津波にもっていかれ、解決すべき課題が多いことから、鉄道の代わりにBRT(バス高速輸送システム)が提案され、JR気仙沼線の一部は現在もバスで運行されている。

 当初の道の駅『大谷海岸』があった本吉町は、2009年に気仙沼市と合併。現在の気仙沼市の「市の魚」はカツオだが、本吉町時代の「町の魚」はマンボウが指定されており、マンボウは本吉町のシンボルとして長らく住民に親しまれてきた。復活した道の駅『大谷海岸』のいたるところにあるマンボウの絵は、本吉町時代のデザインがそのまま使用されている。


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