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ホンダの“先見性の欠如” 問題なのはF1からの「撤退」よりも「参戦」したことだ

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尾張正博dot.
2021年限りでホンダはF1の参戦を終了 (c)朝日新聞社

2021年限りでホンダはF1の参戦を終了 (c)朝日新聞社

 ホンダが2021年限りでF1参戦を終了することを、2020年10月2日に発表した。

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 この発表を聞いて、思い出された言葉が「孫子の兵法」だった。古代中国における伝説的な軍略家、孫武が説いたとされるこの書には、次のような一説が書かれている。

『勝兵は先ず勝ちて而る後に戦い、敗兵は先ず戦いて而る後に勝を求む』

 意味は「勝利する軍は先に勝つという見通しがたってから戦い、一方、敗北する軍は戦いを始めてからどうやったら勝てるかを考えている」というものだ。

 ホンダの八郷隆弘社長は、F1参戦終了の理由を「2050年にカーボンニュートラルを達成するという目標のために、技術者のリソースをそこに傾注する必要があると判断したから」と語っている。

 カーボンニュートラルとは、地球上の炭素(C=カーボン)の酸化物の炭素酸化物であるCO2の総量が、排出と吸収によってプラスマイナスゼロになるようなエネルギー利用のあり方やシステムを指す概念で、2016年に発行されたパリ協定では、2050年ごろまでにCO2排出量を実質ゼロにすることが合意されている。これは、化石燃料(主にガソリン)を燃やして動力を得る従来型の自動車を製造販売している自動車産業界にとって、大きな課題を突きつけられる結果となった。

 しかし、自動車産業界はパリ協定が発行される以前から、環境への取り組みを開始している。ホンダも2015年からのF1復帰にあたって、その理由としてF1の高い技術が環境に優しい量産車づくりにフィードバックされることをひとつの目的としていた。

「今後の自動車業界は様々なタイプの車が出てくる。2014年から導入される新しいF1の規格では、エンジンはダウンサイジングされ、ターボからエネルギー回生を行うという量産車にも適用できる技術だと考えている。F1でも高効率化という軸がでてきたので、チャレンジする価値があると考えた」(2013年5月16日会見より/伊東孝紳社長/当時)


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