「持っている靴はすべて革靴でスニーカーを1足も持っていないことも明かしていました。他のインタビュー記事でも、カツ丼は大好きだけど、ここぞというときだけ年に3~4回、『よく頑張った、俺!』というときに食べていると語っていましたね。『ペヤングソースやきそば』や『サッポロ一番塩らーめん』も及川さんにとって、“ご褒美的”だそうです。また、『リンパは勝手に流れてくれない』ということを知り、何週間に一度『グイグイ押し流してもらっています』とエステにだけは通っていることを各所で公言しています。そしてライブなどでよく話しているのが『表情筋フィードバック』の話です。先に表情があって、そのあとに気持ちがついていくという心理学の話なのですが、怒った顔をしていたら気持ちも荒んでしまうけど、笑顔を心がけていれば、つられて楽しい気持ちになるそうです。でも確かに一理ありますよね」(テレビ情報誌の編集者)

■将来はインテリエロジジイ?

 あのキラースマイルで多くのファンから愛される及川。過去にはインタビューで「愛される努力」について聞かれた際には、「愛されたいと願うのなら、まず自分から愛するっていうことですかね」と語っている。自分の個性を認めてもらいたければ、相手の個性も認めようと話し、清潔感や表情筋も大切だと付け加えていた。表情筋は形状記憶していくので、「人の陰口、悪口を言うにしても、微笑みながら、笑顔で毒を吐く!」とミッチー節がさく裂していた。(「ウートピ」2019年8月30日付)

「将来像について聞かれた際に、『70歳になるころにはインテリエロジジイになっていたいですね』と答えていたのが印象的でした。及川さん曰く、石坂浩二さんのような容貌で、高田純次さんのような軽みと色気もある老人になりたいそうです」(同)

 ドラマウォッチャーの中村裕一氏は、及川の魅力についてこう分析する。

「俳優としてこれほどまで息が長く活躍し、順調にキャリアを積み重ねているのは、王子時代も含め、ひとえにセルフプロデュース能力およびセルフブランディング能力がズバ抜けていることの証拠でしょう。多くの俳優が役のイメージがついて回ることや、年齢相応の役づくりに苦心する中、『俳優・及川光博』という存在を客観的に見ることができ、作り手の求めにキチンと応える演技を確実に残してきたからこそ、今のポジションがあるのではないでしょうか。もともとサービス精神が豊かであることに加え、頭の回転も早い。『いつかはメガネベストドレッサー賞を』とファンの前で公言し、数年後に本当に受賞するなど、戦略家としても卓越している。近年は“頼りになるサポート役”が定着しつつありますが、ひさびさにメインを張った主演作も見てみたいところですね」

 コロナ禍が続き、気持ちが落ち気味になる昨今。及川の明るく前向きな姿勢は見習うべき点が多々ありそうだ。華麗なパスを半沢に出し続ける渡真利のさらなる活躍も期待せずにはいられない。(高梨歩)

著者プロフィールを見る
高梨歩

高梨歩

女性ファッション誌の編集者など経てフリーライターに。芸能やファッション、海外セレブ、育児関連まで、幅広いジャンルを手掛ける。活動歴は約20年。相撲フリークの一面も。

高梨歩の記事一覧はこちら